実施目的
端的にいえば、目的達成に有利な戦略を立てるために行います。
市場構造を調査して、どうすれば少額の投資で大きな成果が出せるのかを把握します。専門用語で言うとバリュープロポジションを見出すのが目的です。
戦況分析を怠ると、大きな投資をしないと成果が出せない費用対効果の低い戦略を立ててしまう恐れがあります。自身の経験や戦争論で有名なクラウゼヴィッツも提言している通り「戦略の失敗は戦術で補えない」と思っているため、非常に重要な取り組みです。
水は高いところから低いところに流れます。水を低いところから高いところに流すことは不可能ではありませんが、多くのエネルギーが必要です。
自然の摂理と同じく、Webマーケティングも市場構造に逆らうことも不可能ではありませんが、膨大な投資が必要になります。市場構造を無視した戦略を推し進めても成功することは難しいです。
そのため、戦況分析で失敗に起因する可能性のあるポイントを見つけるのと同時に、味方につけられるような要素はあるかを考えます。私たちはお客様の大切なご予算を失敗する施策に投資するなんてことはあってはならないと思っているので、事前調査を念入りに行なっています。また単なるWebマーケティング代行会社ではなく、経営や事業のことも相談していただける会社でありたいと思っているため、会社と事業の理解を徹底して行います。
かつての戦国武将たちが地の利を得て戦を有利に進めたように、Webマーケティングにおいても市場を理解して有利に進めていかなければ大きな成果は得られにくくなってしまいます。勝てる確率の高い戦略を取ることはとても大切だと思っています。
実施方法
一般的な戦況分析のフレームワークである3C分析を主に用います。
3C分析とは簡単にいうと、下記3つのポイントを確認してビジネス環境を理解しながら、バリュープロポジションを明らかにするものです。
- Consumer(消費者の理解)
- Company(自社の理解)
- Competitor(競合他社の理解)
バリュープロポジションとは、自社が提供できて競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値のことです。これを明確にして、集中して消費者に伝えることがマーケティング活動の勝利条件だと弊社は考えています。
今後の工程では、バリュープロポジションを軸に「誰」に「何」を「どうやって」伝えていくのかを定めつつ、裏付ける根拠であるReason To Believe(消費者がバリュープロポジションを信じられる理由)を整理します。
ここからは3C分析でどのように調査をしているかをポイント毎に説明していきます。なお、お客様から会社の様々な情報を共有いただくことになりますので、ご容赦いただけると幸いです。
1. Consumer(消費者の理解)
定量定性調査をWebと現場で行い、どんな人にどのような価値を提供すれば目的が達成できるかを明確にしていきます。
消費者の理解は、弊社が1番こだわりを持って行っている部分です。消費者の課題を理解せず進めることは、地雷が無数にある戦場に無邪気に飛び込むような行為だと弊社考えています。ここさえしっかり理解できれば他の要素が仮に曖昧でも狙いを大きく外すことは少ない印象です。
そのため一切妥協せず取り組んでいます。消費者理解の様子に実際の支援風景をまとめていますので、気になる方はぜひご覧ください。調査は以下の定量と定性の2軸で進めています。
①定量調査
消費者の年齢、性別、収入、ニーズなどを数値データ元に広く全体像を把握していきます。どのような人がターゲットになりそうか、何を求めているのかを定量的に調査します。統計情報やWebのアンケートツールを利用して分析することが多いです。
②定性調査
定量調査で見えてきたニーズや不を深堀っていきます。数値で表すことが難しい感覚的なことを調査します。SNSの投稿を参考にしたり、エンドユーザーにWebや対面でインタビューを実施して分析をします。運用者が把握しておきたいこと+お客様が聞いてみたいことを含めて調査を進めています。
2. Company(自社の理解)
お客様の会社を理解します。どんな戦略を元に経営されており、強みや弱みを理解した上で効果的な戦略を打ち出していきます。
①会社の全体戦略の理解
お客様が全社的にどのような戦略をとって経営をされているか確認します。会社の方針に反した戦略を取ることは、水の流れに逆らって泳ごうとするようなもので非常に非効率です。強みに沿った戦略を立てるためにも全社戦略を理解します。
②強み・弱みの理解
競合他社と比較してどのような強みと弱みがあるかを把握します。価格の違い、サービス品質の違い、対応ニーズの違いなどを列挙していきます。ここで特に重要な点は、競合にはない独自資源を理解することです。すぐマネされてしまう強みをバリュープロポジションに据えてしまうと長期的な優位性が築けませんので、簡単に真似されない独自資源に支えられた強みを明らかにします。そのため独自資源と強みを分けて分類していきます。
③自社の立ち位置を把握する
下記の競合他社の理解するのと同様に、お客様が業界でどのような立ち位置にいるかを把握します。これにより競合より優位に立つためにどのような戦略を取るべきかを明確化します。
3. Competitor(競合他社の理解)
ライバル会社の戦略を把握し、どのような戦略であれば競合に埋もれることなく攻められるかを把握します。間接競合は競合が多い業種であれば調査をしていきます。
①直接競合を特定する
消費者からみてお客様と直接比較されるライバル会社を特定します。マクドナルドで例えると、モスバーガー、ロッテリア、フレッシュネスバーガーが挙げられます。
②間接競合を特定する
同じ商品やサービスでなくても、同じ価値を提供している会社を特定します。同様にマクドナルドで言えば、吉野家やスターバックスも関節競合になるでしょう。手軽な食事を提供する。店内で落ち着いた時間を過ごす。といった価値をこれらの会社も提供しています。
③競合の戦略、特徴を把握する
上記競合をリストアップした後に、それぞれの戦略や特徴を把握します。
主に以下のような項目を一覧表にまとめ、可視化できる状態にしてどんな戦略を立てるべきか、立てないかを明確にします。
- 強み
- 対応ニーズ
- 提供価値
- ターゲットユーザー
- サービス、商品の料金
- 口コミ
以上の3つを一覧表にしてバリュープロポジションが把握できたら、目標設定に進みます。