Webマーケティング支援をしている株式会社オンジンは、インターネット上での宣伝がステマだとわかった時に関する意識調査を実施しました。
今回は2023年10月に日本で初めて施行されるステマの法規制のご参考になればと思い、データを公開いたします。SNSやSEO、Web広告を用いたインフルエンサーマーケティング、アフィリエイトなどWebマーケティングに携わる事業者はぜひご覧ください。
ステマは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として、景品表示法の不当表示の対象に追加され、2023年10月1日から施行されます。よってこれ以降ステマは、景品表示法上の不当表示に該当し違法となります。広告主であるメーカーと紹介者ともにステマ規制の運用基準を理解して、抵触しないよう気をつけていきましょう。
また、施工前に掲載されたものであっても規制対象となりますので、心当たりのある場合は必ず見直しを行いましょう。
1. 調査概要
- 調査概要:インターネット上での宣伝がステマだとわかった時に関する意識調査
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2023年8月13日
- 有効回答:500名
- Twitter(X)、Instagram、TikTok、YouTube等SNSでの投稿
- GoogleやYahoo!の検索結果で表示されるWebサイトの紹介記事
- ECサイト、口コミサイトのレビュー等
※調査結果を引用する際は当記事リンクを合わせて記載ください。
2. 調査結果サマリー
- ステマだとわかったら、そのメーカー(広告主)の商品購入を控える割合は「63.2%」
- ステマだとわかったら、その商品紹介主にあたるWebサイトやインフルエンサーからの商品購入を控える割合は「68.0%」
- 広告(PR)だと表記されていても、購入を検討する割合は「36.0%」
- 購入時に最も重視されるポイントは「実際に商品を使った上での紹介であること」
3. 調査詳細
①もし広告だと分からないように宣伝されていることがわかったら「その商品メーカー」に対してあなたはどんな反応を示しますか?
「そのメーカーの商品購入は控えるようにする」が63.2%です。6割以上がステマを行ったメーカーに対して買い控えすることが明らかになりました。ステマ規制に違反した場合、消費者庁や都道府県から該当事業主でステマがあったことを消費者に周知されますので、非常にリスクの高い行為になるといえるでしょう。
②もし広告だと分からないように宣伝されていることがわかったら「その商品紹介主にあたるWebサイトやインフルエンサー」に対してあなたはどんな反応を示しますか?
「そのWebサイトやインフルエンサーが紹介する商品購入は控えるようにする」が68.0%です。ステマ規制に違反しても紹介主は罰則はありませんが、6割以上のユーザーが紹介者の商品購入を控えるため、売上低下に繋がることが明らかになりました。ステマがバレると広告主の売上と企業イメージの悪化にも繋がることから、抵触しないよう紹介主もステマ規制の運用基準を明確に理解する必要が求められます。
③インターネット上でおすすめ商品として紹介されているものが「広告(PR)」だと表記されていた時のあなたの反応を教えてください。
次の「インターネット上でおすすめ商品として紹介されているものが「広告(PR)」だと表記されていた時のあなたの反応を教えてください。」の質問の回答は、64.0%が購入を控える結果となりました。広告であれば購入しない人は一定数いますが、効果を優先してステマするとバレて罰則が課せられ、売上低下に繋がるリスクがあるためしないようにしましょう。
④「広告でも紹介者やWebサイト次第では購入を検討する」と回答した方に質問です。どのようなポイントを重視して購入するか決めますか?3つまでお選びください。
広告でも紹介者やWebサイト次第では購入を検討する人が重視するポイントは「実際に商品を使った上での紹介である」ことが24.2%と最も高い結果となりました。次いで「商品紹介が丁寧にされている」が22.0%。「紹介者の普段発信している情報が信用できる」が18.6%です。
「フォロワーが多いインフルエンサー、普段から目にするWebサイトの紹介である」は5.4%と低いことから、知名度の高い人やWebサイトの紹介だからといって必ずしも購入に至りやすいとは言えないことがわかりました。
4. 調査結果のまとめ
今回の調査では以下のことが判明しました。
- ステマだとわかったら、そのメーカー(広告主)の商品購入を控える割合は「63.2%」
- ステマだとわかったら、その商品紹介主にあたるWebサイトやインフルエンサーからの商品購入を控える割合は「68.0%」
- 広告(PR)だと表記されていても、紹介者やWebサイト次第では購入を検討する割合は「36.0%」
- 購入時に最も重視されるポイントは「実際に商品を使った上での紹介であること」
5. ステマは麻薬のようなもの。ダメ絶対。
インターネット上でおすすめ商品として紹介されているものが「広告(PR)」だと表記されていた時は、64.0%が購入を控えることから、広告宣伝であることを隠すステマの効果の高さが浮き彫りになりました。
ステマは短期的には売上に繋がるでしょうが、バレて消費者庁や都道府県からステマがあったことを消費者に周知されてしまうと、広告主は売上と企業イメージのダウンに繋がってしまいます。消費者を欺く違法行為という前提もありますが、長期的に見てもすべきでないと断言できます。
紹介者も罰則こそありませんが、バレると6割以上のユーザーが紹介者の商品購入を控えるため、売上低下など活動に悪影響をきたします。消費者庁が発表している運用基準を読み込み、違反しないように気をつけましょう。
確実にステマを回避したい場合は、景品表示法をより具体的な内容に落とし込んだWOMJのガイドラインを広告主、紹介者ともに遵守することをおすすめします。消費者庁が発表している運用基準よりも厳しい規定となっているため、これを守っていれば景品表示法に抵触することはないはずです。
ステマに限りませんが、近視眼的な施策に踊らされず、消費者と信頼関係を大切にした活動を行っていくことが事業を継続させる上で大切だと弊社は考えています。
2009年(平成21年)7月、WOM(口コミ)マーケティング業界の健全なる育成と啓発に寄与するため発足されました。 WOMマーケティングに関わる様々な法人と個人が集まり、WOMマーケティングについて調査、研究、協議を積み重ねることで、市場の健全な発展を目指しています。WOMマーケティング協議会の山本さんは、消費者庁の「ステルスマーケティングに関する検討会」委員でもあります。