税理士をインターネットで探す方が増えているため、リスティング広告で集客するのは効果的だと言えますが、Webサイトに以下コンテンツを用意してから配信することをおすすめします。
- 他の税理士事務所と異なる点
- サービスの内容
- お客様の声
- 事務所へのアクセス方法
これらを用意せず配信してしまうと、コンバージョン率(問い合わせに至る確率)が低くなり、リスティング広告の費用対効果が下がってしまう恐れがあります。
魚釣りと同じように魚が好むエサがついていないといくら時間をかけても釣れないように、リスティング広告もユーザーが求めるコンテンツがない状態では、多くの費用をかけても思うような効果は得られにくいでしょう。ですので、まずはこれらコンテンツを充実させるのを先にしていただくことをおすすめします。
この記事ではまず税理士がリスティング広告を始める前に用意すべきコンテンツを紹介しつつ、必要な予算や成果を出すためにやるべき運用内容を解説します。
これからリスティング広告を始めようか検討されている方、運用中で思った成果が出ていない方のお悩みが解決できる情報かと思いますので、ぜひご覧ください。
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1. 税理士がリスティング広告を始める前にWebサイトに用意しておくべきコンテンツ
コンテンツ | 目的 |
---|---|
他の税理士事務所と異なる点 | 他と比べて得意なポイントを伝えて、選ぶ必要性を理解してもらう |
サービスの内容と価格 | サービス内容の理解と必要な予算の目安を知ってもらう |
お客様の声 | サービスの疑似体験をしてもらい不安を払拭してもらう |
事務所へのアクセス方法 | 訪問・来社できる距離なのかを確認してもらう |
ではまず始めに税理士がリスティング広告を始める前に用意してほしいWebサイトのコンテンツを紹介します。私が実際に税理士を探して依頼した時の経験と、税理士の広告運用をした際の知見が根拠となっています。
これまで100社以上広告運用してきた自身の経験から断言できますが、コンテンツが不足していると運用に時間をかけても大きく成果は上がりにくいです。少々極端ですが、運用が稚拙でもコンテンツが充実していればコンバージョンは取れるはずです。
私は小手先の運用テクニックよりコンテンツを充実させることの方が重要だと考えていますので、もし説明するものがない場合は作成いただくことを強く推奨します。
1-1. 他の税理士事務所と異なる点
たくさん税理士事務所がある中でなぜここを選ぶ必要があるのかがわかるコンテンツを用意しましょう。素人目にみると、どこも同じように見えがちですので「なぜ選ばれているのか。」を明確にするとよいです。例えば
- 特定の業種に関する知見が深い
- 若いため、ITに強くクラウド会計ソフトの対応が得意
- とにかく実績が豊富
- 価格が安い
など、他の税理士事務所と違う点をまとめたページを作成しましょう。よほどの大手であれば「なんでもお任せください。」といった広い訴求で問題ないでしょうが、そうでなければ得意なポイントを絞らないとユーザーから選ばれにくいと考えています。
1-2. サービスの内容と価格
決算・確定申告、相続税申告など対応しているサービス内容と価格を説明したページを作成しましょう。サービスごとに1つずつ個別ページを作成することをおすすめします。
この構造であればリスティング広告でキーワード毎個別ページをリンク先に設定できますので、キーワードと広告の関連性が上昇して成果も上がることが多いです。そのため、1サービス1ページで説明が完結できているとよいです。
また価格は目安でもよいので必ず載せておきましょう。問い合わせしないと全くわからない状態だと、面倒で他の税理士事務所で検討するユーザーも一定数出てくると考えられます。
1-3. お客様の声
契約に繋がったお客さんを事例として掲載しましょう。事例はサービスの疑似体験ができるコンテンツで、問い合わせにつながる重要なものです。
事例の数は多ければ多いほどよいです。数の目安としては業界が全く異なりますが、まずは12件を目指すとよいかと思います。WACULさんの「SaaSを扱うB2Bサイトにおける事例紹介ページの改善策の提言」という調査で、事例コンテンツが12件未満の場合、ユーザーがサービスに対して不安を感じる可能性が大きい。と発表されています。
ただし、どんなことをしてくれたのか。いくらくらい費用がかかったのか。どんなきっかけで依頼に至ったのか。契約中に素晴らしいと感じたポイント。など問い合わせする前のユーザーが知りたいことが伝わらないと効果は薄れてしまいますので注意してください。ただ数をかき集めただけにならないようしましょう。
1-4. 事務所へのアクセス方法
お客さんの事務所に訪問する、逆に来社してもらうなど対面で会う機会がありますので、近くてコミュニケーションが取りやすいか判断できるように事務所へのアクセス方法がわかるページを用意しましょう。◯駅から徒歩◯分。など主要な場所からの時間を記載しておくとよいです。
アクセスが良くないエリアに位置している場合、リモート対応可能など遠方でも問題ないことがわかるようにしておくことをおすすめします。
これは私が税理士や弁護士を探した際の経験ですが、予算や諸々の条件に合っていても相談が有償の事務所には相談しづらかったです。断るくらい問い合わせが来ているようであれば有償でも問題ないかと思いますが、質は置いておいてとにかく問い合わせがほしい!という状況なら、無料相談の申込みページをご用意いただくとよいかと思います。
2. 税理士がリスティング広告にかける予算の計算方法
ここからは、リスティング広告をやるために必要な予算の計算方法について解説していきます。方法は様々ありますが、今回は下記の月間でほしい受注数から逆算して、いくら予算が必要になるか出す方法を紹介します。
- 月間でほしい受注数を確認する
- 問い合わせや資料請求からの転換率を計算して、目標達成に必要なコンバージョン数を出す
- コンバージョン数 ✕ コンバージョン単価の計算をする
ぜひこの方法になぞって計算してみてください。
2-1. 月間でほしい受注数を確認する
まず月間の受注件数目標を確認しましょう。今回は月間5件成約が目標だとして進めます。月間の数値が決まっていなければ年間の目標から逆算した数値を設定します。
2-2. 問い合わせからの成約率を計算して、必要なコンバージョン数を出す
社内のデータを探っていただき、問い合わせされた方が成約された率を計算しましょう。問い合わせ数÷成約数で計算できます。
ここでは20%だとして進めます。この場合、5件÷20%=月25件の問い合わせを獲得する必要があることがわかりました。これがリスティング広告で追う目標値になります。
2-3. コンバージョン数 ✕ コンバージョン単価の計算をする
最後に計算した目標コンバージョン数とコンバージョン単価を掛け算したら必要な予算がわかります。
コンバージョン単価はエリアやサイトのつくりなどによって大きく異なるため、ざっくりでもこれくらい!と出しづらいのですが、私の経験上とクリック単価の相場を加味すると、おおよそ3万円くらいかと思います。実際はお客さんの情報を詳しく確認して出すものなので、あくまで参考としていただければ幸いです。詳細が知りたい場合はお手数ですがお問い合わせくださいませ。
これを加味して計算すると、25件(目標コンバージョン数)✕3万円(コンバージョン単価)=75万円の月額予算が必要になります。
3. 税理士がリスティング広告で成果を出すために最低限やるべき設定内容
次は税理士がリスティング広告で成果を上げるためにやってほしい設定を紹介します。要点を簡潔にお伝えすると、コンバージョンが取れるところからクリックが獲得できるように設定をします。
なお、設定して配信したら終わり!というものではありませんのでご注意ください。成果を見ながらキーワードを追加、停止するなどの日々の運用も非常に大切です。
3-1. 税理士 ✕ サービス名キーワードを登録する
過去の運用経験からこれらキーワードからのコンバージョンが多い傾向があったため、これは必ず設定してほしいです。例えば商圏が名古屋の場合、サービス毎に以下のようなキーワードになります。
サービス名 | 登録するキーワード(名古屋が商圏の場合) |
---|---|
税理士 | 税理士 名古屋 |
確定申告 | 確定申告 税理士、確定申告 税理士 名古屋 |
相続 | 相続 税理士、相続 税理士 名古屋 |
これらキーワードは特定のエリアで税理士を探すユーザーが検索する語句のため、コンバージョンに繋がりやすいです。最も登録すべきキーワードといっても過言ではないでしょう。
キーワードにはマッチタイプという拡張具合を設定するものが3種類ありますが、結論フレーズ一致、完全一致ではじめは登録しましょう。部分一致は経験上、範囲外のサービスや情報収集段階のコンバージョンに繋がりにくい語句で広告を表示されるなど、コンバージョンに繋がりにくい語句まで拡張することが多かったりと扱いづらいので、初心者の方がはじめから設定するのの方はおすすめできません。
フレーズ一致、完全一致でコンバージョンが取れて費用対効果が合っているキーワードがあれば、それを部分一致にして徐々に拡張していき費用対効果を見るようにしていきましょう。
3-2. 情報収集段階や問い合わせに繋がらないキーワードを除外登録する
このキーワードで検索している人は成約につながらないと想定できる語句を除外キーワード登録しましょう。除外キーワード登録とは、設定したキーワードで検索しても広告が表示されないようにするものです。
フレーズ一致、部分一致で配信している場合はキーワードが類語に拡張しますので、設定しておかないと問い合わせに繋がらない検索語句でクリックされてしまい、費用対効果が悪化してしまいます。完全一致も多少拡張しますが、そこまでブレはないです。
基本的に以下のキーワードは基本不要な場合が多いはずのですので、除外をしておきましょう。一定の検索量があるキーワードなので、運用はじめに除外しておくとよいです。
- 求人
- とは
- 年収
- 給料
- 商圏外のエリア名
- 対応外のサービス名
これら以外にも除外すべき語句はありますので、運用しながらズレたものでクリックされていないか確認しながら除外キーワードを登録していきます。少なくとも運用開始して1,2週間は毎日見て、対応することを推奨します。特に部分一致を配信している際は大きくズレている場合があるため、必ず見てほしいです。
クリックされている語句は以下管理画面のボタンから確認できます。間違えやすいですが、登録キーワード=検索語句ではありませんので注意してください。
3-3. サービス名のキーワードに合わせたリンク先を指定する
キーワードのニーズに合わせたリンク先を設定することで、問い合わせが獲得できる率の改善が見込めますので、サービス毎にページが分かれている場合はそれぞれ設定をしましょう。以下イメージになります。
キーワード | 広告見出し例 |
---|---|
エリア名✕税理士 | TOPページ |
税理士✕確定申告 | 確定申告のサービスページ |
税理士✕相続 | 相続申告のサービスぺージ |
クリック単価が決まるシグナルとして、広告の関連性というものがあります。こちらが上昇するとクリック単価が下がり成果も上がることに繋がります。そのため、サービス毎にページを分けて設定できるとよいです。
3-4. 広告文見出しにキーワードと対応したサービス名を入れる
上記のようにサービスごとにリンク先を分けると同時に、広告文もキーワードと対応したサービスを行っていることが見出しでわかるようにしましょう。
理由としては、クリック単価が決まる指標で「ランディングページの利便性」という広告をクリックしたユーザーにとってどの程度キーワードと広告が関連性があるかを示すものがあるからです。広告文が検索された語句と関連があると判断されるとクリック単価の低下に繋がり、成果向上に繋がります。
以下見出しの例ですので参考にして作成してみてください。
キーワード | 広告見出し例 |
---|---|
エリア名✕税理士 | エリア名の税理士をお探しなら |
税理士✕確定申告 | 確定申告を任せられる人気税理士 |
税理士✕相続 | 相続税申告に強い人気税理士 |
説明文はそれほど見られる箇所ではないため、見出しほど気をつけなくてもよいですが、キーワードと関連する内容をいれておきましょう。
3-5. 配信エリアを対応エリア内に設定する
基本の設定ですが、対応できるエリア外には配信しないようにしましょう。Googleだと特定の住所から半径何キロメートルに配信するといった設定ができるので、訪問できる距離を考慮しながら設定しましょう。
少し専門的になりますが、事務所が複数ある場合はキャンペーンを分割して、対応する地域をそれぞれ設定して配信を行ってください。地域はキャンペーン単位でしか設定ができません。
3-6. 広告表示オプションを使用する
こちらも基本ですが、広告の下に文字やリンクが設定できる広告表示オプションを設定しておきましょう。種類は様々ありますので、可能な限り設定することをおすすめします。クリック単価低下につながる要素の1つですし、クリック率が上がるきっかけにもなりますので設定して損することはよっぽどないはずです。
特に電話番号表示オプションという、タップすると電話がかけられるボタンを設置するオプションは必ず設定することをおすすめします。電話がかけやすくなるので、問い合わせ増加に貢献してくれるでしょう。
4. 税理士がリスティング広告を任せる代理店の選び方
次はリスティング広告を代理店に任せようか検討している税理士向けに、選ぶ際に気をつけてほしいポイントを紹介します。
基本的な内容は別の記事で詳しく説明しますので、税理士が選ぶ。という観点に絞って記載します。
結論から言うと税理士案件の運用経験があり、実際に税理士に依頼したことがある担当者がいればぜひその会社を選んでください。
4-1. 税理士案件の運用経験のある担当者がいる会社を選ぶ
税理士案件の運用経験のある担当者が在籍している代理店を選びましょう。リスティング広告は業種によってコンバージョンが取れるワードに偏りが出ますので、運用経験がある=これらキーワードをある程度把握できているので、成果が早く出やすいと捉えて大きな問題はないでしょう。
4-2. 実際に税理士に依頼した担当者がいればベスト
実際に税理士に依頼したことがある人が担当者だとユーザー心理を反映させた広告文作成やキーワード選定ができるため、これら経験のある人が運用担当者だと最高です。私は実際に経験しないと本当のユーザーの気持ちは理解できないと考えているので、経験者であることは強みだと思います。
5. 税理士からリスティング広告運用でよくいただく質問
最後に税理士からリスティング広告運用に関してよくいただく質問を紹介します。気になった質問があれば回答をあわせて確認してみてください。
5-1. 自社の事務所名キーワードは入れたほうがいいですか?
基本的には入れることをおすすめします。理由としては、他の事務所が自社名で出稿するとお客さんを取られる場合があるからです。クリック単価もそもそも低いことが大半ですので(大体数十円かと思います)、リスクとコストを天秤にかけると出したほうがよいと判断しています。
ただ名前が知れた有名な事務所だと、クリック単価が高い場合があるのでこの限りではありません。事務所名がその業種を表すワードだとシステムに判定されていると、競合しており高い時があります。簡単にいうと、他の広告主も同じキーワードを設定しているとクリック単価は高くなります。
5-2. 地名ワードはどこまで細かく入れればいいですか?
基本市単位でOKです。どのマッチタイプでも類語であれば配信されますので、町単位までは不要だと考えていますが、不安であればエリアワードのみ部分一致追加したり、町や区の掛け合わせを追加したほうがよいです。対応エリアが広い場合は登録が大変なので、市名の部分一致の追加で拡張具合が問題ないかどうか検証してみるとよいかと思います。
5-3. 上位表示は狙ったほうがいいですか?
はじめは無理に狙う必要はないと考えています。予算によりますが、基本的にクリック数を増やすことが問い合わせの増加につながることが多いため、上位表示は無理に狙わずクリック単価は低めになるように調整をかけます。
ただし、税理士を探しているユーザーでも予算に余裕がある人ははすぐに見つけられる上位に表示されている広告をクリックする確率が高いと想定されるため、上位に出してコンバージョン率、お客さんの質も上がるようであれば狙うべきでしょう。問い合わせ数とお客さんの質を検証しながら表示位置を見定めるとよいです。
まとめ
税理士とリスティング広告は相性が良いため、弊社としては配信することをおすすめしますが、サイト上に以下4つのコンテンツを用意してからが推奨です。
コンテンツ | 目的 |
---|---|
他の税理士事務所と異なる点 | 他と比べて得意なポイントを伝えて、選ぶ必要性を理解してもらう |
サービスの内容と価格 | サービス内容の理解と必要な予算の目安を知ってもらう |
お客様の声 | サービスの疑似体験をしてもらい不安を払拭してもらう |
事務所へのアクセス方法 | 訪問・来社できる距離なのかを確認してもらう |
重要なことなので繰り返しになりますが、コンテンツが不足している状態で配信しても穴のあいたバケツに水を入れているようなもので効果は薄れてしまいます。設定や運用で注意すべきことは紹介した通りですが、大前提コンテンツあることが重要ですので、準備を整えてから配信することを推奨します。