広告ランクとはどの広告をどの位置に表示するかを決める数値です。広告ランクが高い広告主順に上位の広告枠が割り当てられます。

リスティング広告では検索されるたびに広告がオークションにかけられ、その時点での以下のようなポイントに合わせて広告ランクが毎回変動します。(これが全てではありません)

  • 入札価格
  • 広告の品質
  • ユーザーが検索を行ったときの背景
  • 広告表示オプション(アセット)の内容

広告ランクが高くできれば広告掲載順位を引き上げられるので、高められるよう運用調整をすべきです。確実且つすぐ上げたい場合は入札価格を引き上げればOKですが、クリック単価が高騰しますので注意が必要です。

クリック単価の高騰を抑制しながら広告ランクを上げたい場合は、広告の品質を高める必要があります。Googleの担当者が話していた内容がソースですが、広告の品質は入札価格以外の他のポイントよりも優遇されているため、改善できた時の広告ランクへのインパクトが大きいです。

ヘルプページでも広告の品質は、さまざまな場面で広告の掲載結果を左右する重要な指標ですと名言されています。

広告の品質のGoogleヘルプの説明
広告の品質はなぜ重要か Google広告ヘルプ

この記事では広告ランクの概要や決まる仕組み、改善する方法をご紹介します。広告ランクの理解が曖昧なまま運用するのは、どこを動かしたらどう挙動をするのか知らない状態で車を運転するようなもので私は危険だ思っています。

コンバージョンを増やしていく上でとても重要な指標ですので、リスティング広告の運用に携わっている方は必ず理解しておきましょう。

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1. 広告ランクとはどの広告をどの位置に表示するかを決める数値

広告ランクの説明

繰り返しになりますが、広告ランクとはどの広告をどの位置に表示するかを決める数値のことです。広告ランクが高くできれば広告掲載順位を引き上げられるので、高められるよう運用調整をすべきです。

掲載順位が上がるほどクリック率は高くなるため、予算不足でなければ獲得できるクリック数は増えます。更に急いで悩みを解決したいユーザーからのクリックも増え、コンバージョン率の改善にも繋がる可能性があります。広告ランクが高いといいことしかありませんので、高める意識を持って運用することが重要です。

注意点として、数値を画面上で確認することはできません。内部で決まるものなので算出に関係する入札価格や品質スコア(厳密には広告の品質)、広告表示オプションを参考に優劣を予想する必要があります。

品質スコアは他の広告主と比べた広告の品質をスコアで表示する指標。広告ランクとは違う

品質スコアは他の広告主と比べた広告の品質をスコアで表示する指標です。広告ランクを決める、広告品質の優劣を測る目安になるものですが、広告ランクの判断材料にはなっていません。

品質スコアの改善を目標に運用してしまうと、的外れな施策を打ってしまい、成果が逆に落ちてしまう恐れがありますので注意をしましょう。品質スコアとは?注視して運用すべきは広告の品質である理由で詳細を説明していますのでぜひご覧ください。間違えられやすい広告の品質についても記事内で紹介しています。

2. 広告ランクが決まる仕組みと流れ

ここからは例を用いながら広告ランクが決まる仕組みとその流れを説明します。少々ややこしいですが、重要な指標ですのでどうやって決まるのか理解をしておきましょう。

2-1. 検索と同時にオークションが行われる

広告ランクが決まる仕組み

検索がされると広告がオークションにかけられます。その際おおまかに以下4つの要素を元に広告ランクが算出されます。ヘルプページに記載のある内容で不要だと感じたものはカットする等して改変しています。

要素説明
入札単価広告のクリック1 回に対して最大でいくらまで支払ってもよいか指定したもの。自動入札戦略を利用している場合はシステムが決定。
広告の品質広告がユーザーにとって、どれほど有用性や利便性が高いものなのを評価するための概念。
ユーザーが検索に至った背景ユーザーが入力した検索キーワード、検索時のユーザーの所在地、使用しているデバイス、検索した時刻、同じページに表示される他の広告と検索結果をはじめ、さまざまな要素が考慮される。
広告表示オプション(アセット)の内容コールアウト表示オプション、サイトリンク表示オプションなど広告表示オプションの設定有無やその内容。

この中で加点比重の高い要素はGoogleの情報から推察するに、入札単価と広告の品質ですので、これらを上げる意識を持ちましょう。

上記を踏まえて、広告ランクの算出は下記のような数式で決まると考えて大きな問題はないです。

広告ランク = 入札単価 × 広告の品質

勘違いされがちですが、公式で広告ランクの計算式は公開されていません。そのためあくまで理解を深めるためのイメージとして捉えてください。Googleの担当者に確認して、解釈するために使う分には問題ないと話していましたので、私だけの意見ではありません。

2-2. 広告ランクが算出され、掲載順位が決まる

広告ランク掲載順位
広告主A1001位
広告主B303位
広告主C502位
広告主D20掲載されない
※広告枠は3つしかないとする

上述した要素に基づいて、広告主ごとに広告ランクが算出され、掲載順位が決まります。広告ランクが高い順に上から掲載されます。

本来は異なりますが説明の便宜上、広告掲載枠が3つしかないとした時、表の広告主Dは掲載されません。掲載されるようにするには、広告主Bのランク30以上になるよう調整する必要があります。

広告ランクが決まる仕組みと流れの説明は以上です。

3. 広告ランクの上げ方は要素別で考えることがポイント

要素上げ方
入札単価入札価格を引き上げる。自動入札を入れている場合は値を上げる
広告の品質検索語句のニーズに対して広告とLPで適切な価値が提供する
広告表示オプション(アセット)の内容広告表示オプションを漏れなく設定する
※ユーザーが検索に至った背景はコントロール不可のため含めていません

ここからは広告ランクの上げ方を要素別で説明していきます。教科書的な話も含みますが、実際運用していて対応する内容を中心に説明しますので、現場で活用していただけるはずです。

結論からお伝えすると、入札単価を上げるのが確実且つ一番早いです。ただし、クリック単価が上昇しますので注意が必要です。ベストは広告の品質を改善することです。

3-1. 入札単価

すぐに広告ランクを上げたいのであれば入札単価を引き上げましょう。確実かつすぐにできるからです。手動入札であれば入札金額を上げる。自動入札を入れている場合は値を上げてください。

後述する広告の品質を上げるのがベストですが、具体的にどう対応すれば上がるのかは不明瞭な部分が多いです。そのため改善が難しいです。蔑ろにするわけではありませんが、改善は確実性とスピードが求められる場合が多いため、入札単価の引き上げから実行することが私は多いです。

また、広告の品質が高かったとしても入札単価が低いとランクは上がりづらいため、キーワードごとに一定以上の入札単価を設定しないとそもそも掲載されない事象が発生します。

3-2. 広告とランディング ページの品質(広告の品質)

広告の品質は検索内容に対する広告文の関連性、ユーザーが広告をクリックする可能性の高さ、ランディングページへ進んだユーザーに提供される体験の質など、複数の要素によって決まります。簡単に言えば、検索語句のニーズに対して広告とLPで適切な価値が提供できていれば高くなると理解して差し支えないでしょう。構成される全ての要素は公開されていません。

そのためめちゃくちゃ抽象的ですが、該当のキーワードを検索するユーザーはどんなことに困っていて、広告文やLPでどのような価値提供すれば喜んでくれるか考えて実行することが高める上で重要です。

ただこれだとふわっとしすぎだと思いますので、もっと具体的にどうすべきか知りたい方は下記品質スコアの構成要素を参考にしつつ運用してみてください。

品質スコアの要素説明
推定クリック率広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さ
広告の関連性広告がユーザーの検索の意図と一致する度合い
ランディングページの利便性ランディングページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるか

それぞれの改善方法は再掲となりますが、品質スコアとは?注視して運用すべきは広告の品質である理由で説明していますので、こちらをご覧ください。

広告の品質を上げずとも入札単価を引き上げれば広告ランクは改善されます。しかしクリック単価が上がってしまうため、広告の品質を高める努力を怠らないようにしましょう。広告の品質が高められれば、競合より掲載順位を上げつつ、クリック単価も低い状態を作り出すことが可能です。

3-3. 広告アセットやその他の広告フォーマットの効果

最後に、これはそこまで加点にならないと感じていますが、広告表示オプションを漏れなく設定することも重要です。設定すれば広告ランクの向上に繋がりますので、特段理由がなければできる限り全て設定してください。

広告表示オプションとは、広告と一緒に補足情報を表示できる機能のことです。2023年9月時点ではGoogleだと以下の種類があります。できる限り設定といっても配信目的をそぐわないものは設定すべきではありませんので、どれが使えそうか確認してみてください。

だいたいどんな商材でも設定できると考えられるオプションは設定のしやすさに★をつけていますので、迷うようでしたらこれらを優先して設定してみましょう。Yahoo!はこれより少し少ないですが概ね同じです。

広告表示オプションの種類説明設定のしやすさ
サイトリンク表示オプションランディングページ以外のリンク先を複数設定
コールアウト表示オプション商品やサービスの強みをテキストで表示
構造化スニペット表示オプション商品やサービスのラインナップを追加
画像表示オプション広告の横に画像を表示する
電話番号表示オプションタップすると架電できる電話番号を表示
住所表示オプション店舗住所を表示
価格表示オプション商品の価格を表示
ビジネスの名前ブランドや会社名を表示
ビジネスのロゴブランドや会社のロゴを表示
リードフォーム表示オプションリンク先に遷移させずリードフォームを掲載する
アプリリンク表示オプションアプリのダウンロードリンクを表示
プロモーション表示オプションセールやプロモーション情報を表示
販売者評価表示オプション口コミを表示
メッセージ表示オプションメッセージでの問い合わせを促す
アフィリエイト住所表示オプション商品を販売している最寄りの店舗住所を表示

広告ランクの上げ方の説明は以上です。

さいごに. ターゲットは誰で、何に悩んでいて、どんな価値を提供すべきなのかを配信前から真剣に考えることが重要

広告ランクとはどの広告をどの位置に表示するかを決める数値です。広告ランクが高い広告主順に上位の広告枠が割り当てられます。

紹介したように以下3要素で広告ランクは算出され、広告の品質を高めて改善するのがベストです。しかし実際運用していると早急に改善する必要があるため、入札単価の引き上げで対処することが多いでしょう。

要素上げ方
入札単価入札価格を引き上げる。自動入札を入れている場合は値を上げる
広告の品質検索語句のニーズに対して広告とLPで適切な価値が提供する
広告表示オプション(アセット)の内容広告表示オプションを漏れなく設定する
※ユーザーが検索に至った背景はコントロール不可のため含めていません

競合の状態でも変動する数値のため致し方ない部分もあります。ただアカウントやランディングページを設計する際に、ユーザーは何に悩んでいて、どんなワードで検索するか、広告文やLPでどんな価値提供すれば喜んでくれるかを真剣に考えて対処していれば、競合より劣るリスクは減らせるはずです。

何が言いたいかというと、運用だけでは改善できる限界があるということです。配信する前の準備も手を抜いてはいけません。

広告ランクを上げることを目的にして考えるとややこしいですので、シンプルにユーザーが困ってることと、喜ぶ価値何かを真剣に考えるとよいです。これができていればキーワードやランディングにも思想が反映されるはずなので、広告ランクは自然と高い数値を維持できると私は思っています。

テクニックはもちろん重要ですが、ユーザーのことを真剣に考えていれば成果は自ずと出てくるはずです。少しでも考え方の参考になれば幸いです。