リスティング広告はBtoB商材でも成果が出せる、非常におすすめな集客手段です。

リスティング広告は検索しているユーザーにアプローチできる、即効性及び費用対効果に優れた広告です。業種問わず真っ先に使うべき広告として取り上げられることが多く、BtoBであっても有用な広告です。

そのため「BtoB商材で売上を上げたいけど、どの広告を選べばよいのだろう」とお考えであれば、このままリスティング広告を検討してください。

ただBtoB商材のリスティング広告運用で成果を出すには重要なポイントがあり、これを外すと期待した効果が得られない可能性はあります。

結論から言うと、LPに配置するコンテンツが鍵になる私は思っています。もっと言えば、ユーザーニーズをどんぴしゃで捉えたコンテンツが重要です。厳密には商材にもよりますが、おしゃれなLPを作る必要性は経験上低いと判断しています。

以下BtoBの特徴を加味すると、「この会社に任せれば間違いなく課題を解決してくれるだろう」と安心できる状態をLPのコンテンツで表現することが最重要でしょう。

BtoBBtoC
購買決定に関わる人数多い少ない
商品やサービスの金額高額少額
求められる価値課題解決力所有・体験・課題解決力・価格
キーワードの検索ボリューム少ない多い
切り替え困難容易
BtoBとBtoCの特徴の違い

BtoCでも大切な内容ですが、より重要性が高いと認識してください。リスティング広告の管理画面の調整ももちろん効果はありますが、インパクトを考えるとLPに軍配が上がると考えています。そのため圧倒的な成果を上げたい場合は、LP改善も積極的に行うことを推奨します。

この記事ではBtoB商材でリスティング広告運用で成果を出すための鉄則を説明します。LPが特に重要ですが、管理画面でできるおすすめの設定もありますので、こちらも合わせて紹介をしていきます。

私はこれまでリスティング広告を300社、1,000アカウント以上運用してきましたが、BtoB商材で圧倒的な成果を出すには、管理画面上の調整だけでは不可能だと確信を持っています。そのためぜひこの記事を通して、LPを軸にしたBtoB商材のリスティング広告運用の知識を身に着けていただければ幸いです。

1. リスティング広告運用をする前に知っておくべきBtoBの特徴

BtoBBtoC
購買決定に関わる人数多い少ない
商品やサービスの金額高額少額
求められる価値課題解決力所有・体験・課題解決力・価格
キーワードの検索ボリューム少ない多い
切り替え困難容易
BtoBとBtoCの特徴の違い

はじめにBtoBとBtoC商材の違いを把握しておきましょう。理解しておけば、なぜBtoBはLPに配置するコンテンツが重要か腹落ちするはずです。

ざっくり結論を先にお伝えすると、商品の金額が高く、購買決定に関わる人も多くなる傾向があるので、「この会社に任せれば間違いなく課題を解決してくれるだろう」とLPで安心感を与えることが強く求められます。

1つずつ説明します。

1-1. 購買決定に関わる人数が多い

BtoBは高額な商品であれば、代表や専務などの複数の決裁者を交えた社内稟議を行い、購入を決めることが一般的です。そのため担当者だけで購買を判断することは少額でない限り基本ないでしょう。

よって複数の人が「このサービスなら導入して問題ないだろう。」と安心できるきっかけをLPで与える必要があるのです。

BtoCであれば、購買決定はリスティング広告を閲覧した本人だけで完結する場合が多いので、検索するユーザーだけを納得させられれば問題ありません。皆さんがアマゾンや楽天で商品を買う時は自分だけで購入するか基本判断しますよね。

安心感はBtoCであっても重要です。ただBtoBは本人(担当者)はもちろん、稟議を行う複数の決済者から承認を得られる工夫が一層求められます。

1-2. 商品やサービスの金額が高い

商品・サービス例金額例
BtoBWebサイト制作100万円〜
オフィス移転数百万〜数千万円
Web広告運用代行広告費50万円+手数料10万円/月
BtoCトレーニングジム1万円/月
クリーニング600円〜
EC(アパレル)3,000円〜

内容が若干重複しますが、BtoBは商品やサービスの金額が高い傾向にあるため、衝動買いされることが少ないです。

上記表のような高額な部類のサービスであれば、選択を失敗すると大きな損失を被りますので、競合他社とじっくり比較検討した上で発注先を決めるはずです。不安に感じたら選ばれないでしょう。BtoCだと購入に失敗しても痛くない少額の商品も多いため、ニーズを満たす商品だとわかれば比較的簡単に購入されます。

BtoBは金額が高いため、課題を解決してくれる確信が持てないと問い合わせに繋げることが難しいです。よって安心感を与えるLPのコンテンツが重要なのです。

1-3. 課題解決力が求められる

商品・サービス例求められる価値例
BtoBWebサイト制作売上アップ
オフィス移転採用促進
Web広告運用代行売上アップ
BtoCトレーニングジム距離の近さ、料金の安さ
クリーニング距離の近さ、料金の安さ
EC(アパレル)価格の安さ、デザイン性

BtoBは何らかの課題解決をするために商品やサービスが購買されます。そのためリスティング広告で問い合わせに繋げるには「これを導入すれば今悩んでいることが解決できるはず!」とLPで感じていただく必要があります。

よってユーザーのニーズを理解し、それにどんぴしゃで応えるコンテンツがLPで重要になります。

BtoCだと価格の安さや所有、体験することなど、課題解決以外の目的でも購買されます。そのためLPで信用に繋がるコンテンツが少なくても、ニーズを満たしてくれそうだと感じられれば購入されるケースもあるでしょう。

1-4. キーワードの検索ボリューム、アクセス数が少ない

キーワード検索ボリューム(月間)
BtoBWebサイト制作2,400
オフィス移転1,900
Web広告5,400
BtoCトレーニングジム27,100
クリーニング550,000
アパレル33,100

上記は一例ですが、検索するユーザーがBtoC商材と比べて基本少なく、多くの流入を集めづらいです。

したがって、少ないアクセスの中でコンバージョンに繋げる工夫(コンバージョン率を上げる)が求められるので、LPが重要になってきます。

さらに顕在キーワードと呼ばれる、ニーズが明確なワードに関してはどの広告主も入札価格を引き上げて広告を上位に表示して、少しでもクリックが獲得できるように運用しています。少ないパイの取り合いになっています。

競争が激しいこともあり「この会社なら間違いなく課題を解決してくれるはずだ!」と感じられるコンテンツをLPに配置することが重要になります。

1-5. 切り替えが困難である

購買に失敗したリスクの高さや契約期間が長期に渡ることも多いため、別会社への切り替えはBtoCと比較すると困難です。

BtoCの例で出したクリーニングやアパレルであれば、金額が1,000円程度と失敗しても損失が少なく、契約は単発なので切り替えは安易です。ただサイト制作や、オフィス移転といったBtoB商材は100万円以上軽くかかることも多く、失敗した時の損失が大きいです。

またやり直すにしても時間がかかりますし、契約が1年以上と長期になる場合も多いでしょう。よってミスが許されず、切り替えたくない思考が強いはずです。

以上の5つの理由から、BtoB商材のリスティング広告運用は「ここに任せれば間違いなく課題を解決してくれるだろう」と安心できる状態をLPで実現するのが最重要だと私は判断しています。

2. BtoB商材のリスティング広告で使うLPで課題解決力を訴求するために配置すべきコンテンツ

BtoB商材のリスティング広告で使うLPで課題解決力を訴求するために配置すべきコンテンツ

ここからはリスティング広告で配信したLPを通して、課題解決力が高く安心できる会社だとイメージしてもらうために配置すべきコンテンツを説明します。

イメージが伝わりやすいようにご了承の上、弊社がLP設計から支援させて頂いているBtoB専門の清掃会社 サン・クリーンサービス様の事例を元に進めていきます。

結論以下5つです。星が3つの項目は超重要ですので、絶対に手を抜かないようにしてください。

項目重要度
ノウハウや機能が詳しくわかるコンテンツ★★★
事例コンテンツ★★★
対応する社員のコンテンツ★★
フリー素材ではない自社のオリジナル写真★★
創業年数の長さをアピールするコンテンツ

課題解決力が高いと判断されるポイントは大きく、ノウハウや機能と実績コンテンツだと私は考えています。その他細かい要素も関係はしますが、自身でリスティング広告運用とコンテンツマーケティングを行ってきた経験から、これらコンテンツで大まかに判断されると認識しています。

一部課題解決力とは直結しないものもありますが、安心感を与えるために私が重要だと感じているものをピックアップしています。

それでは1つずつ説明します。繰り返しになりますが、おしゃれさよりユーザーニーズをどんぴしゃで捉えたコンテンツが重要です。

2-1. ノウハウや機能が詳しくわかるコンテンツ

「この会社はノウハウが豊富 or 求めている機能を搭載している商品だ!」ということがわかるコンテンツをLPに設置しましょう。ノウハウのある会社や商品であることがわかれば、課題解決力が高いイメージを持って頂けるはずです。

これは私が最重要だと思っている内容です。なぜなら手を抜かず丁寧に説明するだけですので、実績が少ない会社でもできるからです。特に弊社のような創業して日が浅い会社であれば一番力を注ぐべきでしょう。

「詳しくわかる」という表現が曖昧でわかりづらいかと思いますので、どの程度具体的にすべきかを私のイメージでお伝えします。結論から言えば、中学生が集中していない状態で見ても「ここに頼めば間違いない。」と確信できる位わかりやすく表現することがポイントだと思っています。

例えば清掃会社さんで言えば以下のようなコンテンツを配置することをおすすめします。

ノウハウコンテンツ役割
①清掃全般優れた清掃技術を持っていることを知らせる
②トイレ清掃どこまでキレイにしてくれるのか知らせる
③フロアコーティング
④お客様対応気持ちの良い対応ができることを知らせる
※他にもございますが長くなってしまうため一例を紹介いたします

1つずつ掘り下げて説明していきますので、ぜひ自社の商品やサービスに置き換えてご覧ください。

①清掃全般

まず優れた清掃ノウハウを持っていることを知らせます。

サン・クリーンサービス様は清掃品質を担保しつつ、コストを抑えられる性能発注という独自の仕組みを持っていらっしゃるので、この点を強く訴求しています。加えて以下のような、なぜ実現できるか腹落ちする清掃手順、テクニックや保有資格コンテンツを盛り込み、納得感があるようにしております。

■手順コンテンツ

■テクニックコンテンツ

■保有資格コンテンツ

②トイレ清掃

清掃で特に強いニーズがあるのがトイレです。そのためトイレ清掃のノウハウの高さを以下のようにビフォーアフターのビジュアルでわかりやすく訴求します。

また、サン・クリーンサービス様は特にトイレ清掃に力を入れており、25ものチェック項目を設けて清掃をされています。その項目も紹介して対応のきめ細やかさも訴求しています。

③フロアコーティング

床に傷や汚れをつきにくくするフロアコーティングもニーズが強いため、トイレ清掃と同様にビフォーアフターの写真やメリットを訴求しています。

④お客様対応

清掃技術が高くても、挨拶やレスポンスといったお客様対応が良くないと満足いただけないため、気を配っていることを訴求しています。

ノウハウや機能が詳しくわかるコンテンツの説明は以上です。

重要なのはユーザーにニーズから逆算して「こんなにノウハウがあるのなら任せて大丈夫そうだな」と感じてもらうことを目的にして、LPのコンテンツを考えることです。手当たり次第コンテンツを配置して冗長になりすぎないように注意をしてください。多ければよいという訳ではありません。

程度はありますが、ユーザーの課題を解決してくれることがわかるコンテンツを敷き詰めて、結果長くなることは問題ないです。皆さんも自分に置き換えて想像してみてほしいのですが、本当に困っているのであればじっくり読んでくれるはずです。

2-2. 事例コンテンツ

ノウハウや機能コンテンツの次に力を入れるべき事例コンテンツです。

長年会社経営されており、実績が豊富な場合はぜひ力を入れていただきたいコンテンツです。これは私のBtoBのリスティング広告運用経験と以下の調査データから効果があると断言します。

対象はLPではなくWebサイトですが「事例コンテンツを追加するとコンバージョン率が高くなる」という調査結果を株式会社WACULさんが発表されています。最低でも12件の掲載を目指そうという結果ですが、今回はLPですのでここまでの数はなくてもよいかとは感じました。いずれにせよ、事例コンテンツは課題解決力の連想に繋がると判断できるデータです。

これらを踏まえて事例コンテンツは以下のようなものを優先して掲載することをおすすめします。

①多くの見込み客が認知している会社の事例

見込み客の多くが認知している会社の事例があれば積極的に掲載をしましょう。想像して頂くとわかるはずですが、「よく知ってるあの会社も任せているんだな。」と感じられれば、課題解決力や安心感の醸成に繋がるでしょう。

サン・クリーンサービス様であれば、国鉄、信用金庫、大学など、大半のユーザーが認知しているであろうお客様の事例を掲載しています。

②お問い合わせのほしい会社に近い業種や規模の事例

次にお問い合わせのほしい会社の業種や規模が決まっていれば、それに近いお客様事例も掲載しましょう。

例えば売上が10億円以上の会社から問い合わせがほしければ、これに近いお客様の事例を載せるようなイメージです。ユーザーから見ると、自社と近い会社の事例があれば信頼して任せてもいいかなと感じられるはずです。希望業種も偏りがあるのであれば、寄せていきましょう。

反対に弊社のように売上の規模感や業種を問わず、お問い合わせを頂きたい場合は、バラけさせるのがポイントです。様々な業種や規模の会社事例があることを伝えましょう。偏りがあると自社は適していないと判断されてしまう可能性があります。

例えば中小企業からも問い合わせがほしいのに、大企業の事例ばかり掲載していると「中小企業のウチにはあてはまらないだろうな」と判断されてしまうイメージです。問い合わせがほしい会社の業種業態・企業規模に合わせて事例掲載を考えましょう。

③お客様の声

お客様の声の事例コンテンツもぜひ追加をしてください。

事例を並べるだけでも効果はありますが、見た人がサービスや商品を使ったイメージが具体的にでき、「この会社に任せれば課題を解決してくれるはずだ。」と認識できる状態を目指すのがベストです。これに繋がるのがお客様の声コンテンツです。

目的次第で構成は変わりますが、基本以下のような流れで構成することをおすすめします。

  • 任せた結果の感想
  • 任せる前の印象(悪いところも含めて率直に)
  • 任せて一番嬉しかったこと、良いと感じたこと(具体的なエピソードも含めて)
  • 今後望むことなど

重要な点としては、良いところも悪いところも本音で語ってもらい、それをコンテンツにすることです。自社の言いたい内容にコントロールした無機質な内容だと信用されないと私は思っています。

事例コンテンツの説明は以上です。ノウハウと事例コンテンツで課題解決力があるか大半判断されると私は考えていますので、繰り返しになりますがこれらには手を抜かないようにしてください。

次からは課題解決力に直結しないものですが、信頼に繋がり、最終的にコンバージョン率を高めるコンテンツを紹介します。

2-3. 対応する社員のコンテンツ

自社サイトでも社員を出し始めてからコンバージョン率が明らかに上がっているため、可能であればぜひ実践してみてください。信頼感・安心感・親しみを与えられるはずです。

広告の調査ですが、人間の顔が入っている広告は含まないものと比べて177%コンバージョン率が高いという結果が出ています。スーパーで売られている野菜でも生産者の顔が表示されているものがありますよね。なんだか信頼できそうと感じ、手に取ったことがある方は少なくないと思います。

無理に出す必要はありませんが、特に弊社やサン・クリーンサービスさんのようなクライアントワークが発生する事業であれば、担当者の顔が見えるのは安心感を与える重要な要素だと思っています。データでも有効であることが明らかですので、積極的に社員の顔を出していきましょう。

2-4. フリー素材ではない自社のオリジナル写真

特にBtoB商材はフリー素材の写真は極力使わないことをおすすめします。信頼が薄くなるのでコンバージョン率を下げてしまう要因になると考えています。

これまで300社以上リスティング広告を運用してきて感じていますが、自社で撮影したオリジナルの写真で作られた「血の通った」LPはコンバージョン率が高い印象です。事実弊社のサイトは起業当初は準備の都合でフリー素材を多めに使用していましたが、全てオリジナル写真に切り替えた後はコンバージョン率が高くなっています。

スマホが普及した昨今、ユーザーは毎日のようにサイトやLPを見ているため、フリー素材中心で作られたLPは感覚で判別できる方は少なくないと思っています。これは私の感覚だけでなく、事実Xで以下のような投稿が複数されているため、フリー素材が多いと「なんだか信頼できないな…」と感じられてしまう可能性があるでしょう。

フリー素材を使っていることで信頼が薄れて、コンバージョン率が下がってしまうのはもったいないですので、自社オリジナルの写真をLPに使うようにしてください。フリー素材はどうしても自社で用意できない場合の最終手段として使いましょう。

特に信頼感の大事なBtoB商材のリスティング広告運用はこういった細かいところも気を配るべきです。弊社が支援する際はフリー素材がほぼゼロになるようお客様に写真撮影のご協力をお願いしています。ご面倒かと思いますが、手を抜いて成果が出ないのは残念ですので、ここは心を鬼にしています。

2-5. 創業年数の長さをアピールするコンテンツ

創業年数が10年以上等ある程度の長さがある場合は、アピールするコンテンツを入れましょう。長く会社が続いていることがわかれば、一定の課題解決力があると間接的に訴求できるでしょう。

ノウハウや機能のように細かく伝えなくてもわかることなので、年数の記載があれば問題ありません。

BtoB商材のリスティング広告で使うLPで課題解決力を訴求するために配置すべきコンテンツの説明は以上です。ノウハウや機能が詳しくわかるコンテンツと事例コンテンツでほぼ勝負は決まると私は考えているので、これらをLPに配置することは絶対に手を抜かないようにしてください。

バリュープロポジションをLPで訴求するのはBtoB、BtoC問わず重要です。

バリュープロポジションと呼ばれる、自社が提供できて競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値をLPで訴求することはBtoB、BtoC問わず大切です。これができていないと、自社を選ぶ理由が不明瞭になってしまい、コンバージョン率が下がる要因になります。必ず明確にして訴求するようにしてください。

分析は主に3C分析を用いて整理することをおすすめします。戦況分析のページで方法はまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

3. BtoB商材のリスティング広告運用で検討すべき管理画面でできる設定

ここからはリスティング広告運用で管理画面上でできるBtoB商材のコンバージョン率を上げる設定を紹介します。多く当てはまることをお伝えしますが、厳密に言えば商材やターゲットユーザー、目標値によります。そのため鵜呑みにせず参考程度に留めておいてください。

基本的な運用や設定方法の理解が曖昧だと感じている方は、リスティング広告の運用方法をまとめたマニュアルがありますので、こちらも合わせてご覧ください。

LPと比べると小手先のテクニックも多いので重要度は下がりますが、効果を上げられる設定ではありますので、ぜひ押さえおきましょう。

3-1. 広告文の見出しで法人向けであることを記載する

法人向け広告文

設定したキーワードを検索するユーザーにBtoCユーザーも含まれる商材に有効です。

BtoBニーズではないユーザーからクリックされてしまうと、コンバージョンには繋がらないため、コンバージョン率が下がってしまう恐れがあります。そのため「法人向けですよ」と記載することで、BtoBニーズのクリックが増加し、コンバージョン率の改善が見込めます。

例で上げた清掃代行はハウスクリーニングなどのBtoCユーザーも検索しますので、効果的な施策だと判断できます。

表現は目立てばなんでもいいですが、【法人向け】おすすめの清掃会社 のように隅付きかっこで法人向けであることを囲うのがおすすめです。使用することでクリック率が16%向上する結果がYahoo公式で出ています。
検索広告において【 】隅付きかっこ が使用可能に!

媒体は推奨していませんが、クリックされる検索クエリにBtoCニーズの語句があまりにも多いようであれば、該当見出しを固定してみてください。私はこの方法でコンバージョン率を改善したことが複数回あります。

3-2. 営業日だけ広告配信する

少額予算で運用する場合は営業日のみに配信することを推奨します。

土日もユーザーは検索をしますが、情報収集をしているだけで、その場で問い合わせしないユーザーも一定数いると想定できます。よってコンバージョン率が低いと考えられるからです。(実際低いことが経験上多いです)

休みの日に配信するのが絶対NGというわけではありませんが、予算が少ない場合は問い合わせしやすい営業日に集中して配信したほうがコンバージョン率は高くなるはずです。同じ理由で電話問い合わせが大半の商材であれば、更に営業時間だけに絞りましょう。

予算を上げてコンバージョンを増やしていく場合は、土日や営業時間外にも配信すべきではありますが、少額のうちは営業日だけ配信することをおすすめします。

3-3. コンバージョンが少ない場合はマイクロコンバージョンの設定を検討する

マイクロコンバージョンの説明

コンバージョン数の伸びが芳しくない場合は、コンバージョンより手前に設置するコンバージョンポイントである、マイクロコンバージョンの設定を検討してみてください。

例としては、問い合わせ完了が最終コンバージョンだとすると、問い合わせフォームページの到達がマイクロコンバージョンになります。

BtoBはキーワードの検索ボリュームが少ないため、コンバージョンを多く獲得しにくい特徴があります。よってコンバージョンに繋がる語句の入札価格を、自動で強化してくれる自動入札戦略が働きづらいことは少なくない印象です。

コンバージョン数最大化等の自動入札戦略は、主に獲得したコンバージョンのデータを参考しています。そのためコンバージョンが少ないとシステムが参考にできる情報が乏しくなり、入札の最適化が上手く働きません。

そこでマイクロコンバージョンを自動入札戦略の参考データとすることで、入札調整の参考になる情報が増えるため、最適化が上手く働く可能性が高まります。マイクロコンバージョンはコンバージョン手間のユーザーのため、マイクロコンバージョンに至ったユーザーに強く配信することで、結果的に本コンバージョンも増える可能性が高まるという仕組みです。

マイクロコンバージョンを設定する基準は目標値や獲得できているコンバージョン数によって異なるため、一概に言えません。ただざっくりでもお伝えした方が親切だと思いますので、あくまで私の目安にはなりますが、月の目標コンバージョン件数が10件だとすると、2,3件しか取れていないようであれば、検証してみる価値はあると思います。

ただデメリットもあります。コンバージョンに近いとは言え、コンバージョンしていないユーザーのデータを参考にするので、入札の強化対象キーワードがズレて、反対にコンバージョン数が減少する可能性もあります。

挙動は読めないため、やってみないと上手くいくかはわかりませんが、改善の打ち手ではありますのでぜひ検討してみてください。

4. BtoB商材のリスティング広告運用を代行依頼・外注する際に知っておくべきこと

最後にBtoB商材のリスティング広告運用の外注を検討している方に知ってほしいことを紹介します。これから紹介する点を満たしている運用をしてくれる代理店を選べば、失敗のリスクを下げられると私は考えていますので、ぜひ参考にしてみてください。任せた後に成果を上げるためのおすすめの取り組み方もセットで記載します。

4-1. LPの改善提案まで行ってくれる代理店に任せることを推奨

お伝えした通りBtoB商材のリスティング広告運用で成果を出すには、課題解決力の高さを伝えることが重要です。よってLPでユーザーが解決してほしいことをどんぴしゃで突くコンテンツを配置するのが重要です。そのためLPの改善提案まで行ってくれる代理店に外注をしてください。

リスティング広告の運用代行のサービスは代理店によって様々です。広告の管理画面上の調整のみする会社やLPの改善提案まで行う会社があります。

BtoB商材は特に管理画面の調整だけでは大きな改善をすることは難しい印象ですので、LPの改善提案まで行ってくれる代理店に任せましょう。たとえ運用代行手数料が高めであっても、しっかり改善提案をしてくれるのであれば迷わず依頼してください。

LPの改善がされずコンバージョン率が低い状態で広告を配信し続けた方が、損失は大きくなってしまうはずです。BtoB商材の広告運用はLP改善は必須だと私は考えています。

「LPに追加したたった1つのコンテンツがきっかけで数千万円の大口受注に繋がった。」なんてことも私は経験がありますので、ここは強くお伝えしておきます。

4-2. 受注単価の高い問い合わせがほしいことを運用者に共有する

BtoBは受注単価の幅が大きいため、受注単価の高い問い合わせがほしいことを運用者に共有しておきましょう。伝えておかないとキーワード選びがズレて、コンバージョンが取れても売上が大きく上がらない事象が発生してしまう可能性があります。

例えばホームページ制作会社がリスティング広告を配信するとします。「ホームページ制作 格安」と調べているユーザーは当然安くホームページを作りたいと思っているので、このキーワードで問い合わせに繋がっても、大きな売上になりづらいでしょう。

ただ前もって「受注単価の高い問い合わせが増える運用をしてください」と代理店に伝えておけば、格安等費用を抑えて制作したいニーズのあるキーワードは配信しないはずなので、この事象は発生しないはずです。

売上を増やすことがリスティング広告のゴールのはずですので、外部に広告運用を任せる場合は受注単価を意識した運用をしてほしい旨を伝えるようにしましょう。自身の経験でも代理店の広告運用はコンバージョン数を重視した形になりがちですので、注意をしてください。

4-3. ニッチなBtoB商材でもニーズがあれば効果は見込める

「商材がニッチなBtoB商材なんですがリスティング広告で成果は出せますでしょうか」と相談を頂くことがあるので回答します。むしろニッチな方がリスティング広告と相性は良いと考えられるため、前向きに検討してみてください。

ニーズがあればユーザーは検索をするはずです。そしてニッチということはリスティング広告を配信している競合が少ないと考えられるため、クリック単価が低い可能性が高いです。よってキーワードの検索ボリュームが少ないため、獲得できるコンバージョンは多くないかもしれませんが、売上・利益に高確率で繋げられると判断できます。

実際に私が支援させていただいたニッチな業種のお客様の事例を出すと、開始当時はリスティング広告を配信している競合が全くいなかったため、しばらくの間クリック単価1円であごが外れそうになるくらいコンバージョンを大量に獲得できたことがあります。途中から競合が参入してクリック単価が上がってしまいましたが、赤字になることはなかったと聞いています。(流石に後にも先にもここまでの経験はないと思いますが)

こういった経験もあることから、ニッチなBtoB商材こそリスティング広告を配信すべきだと私は考えています。ぜひ前向きに検討してみてください。

まとめ

リスティング広告はBtoB商材でも成果が出せる、非常におすすめな集客手段です。

圧倒的な成果を出すためには「この会社に任せれば間違いなく課題を解決してくれるだろう」と安心できる状態をLPのコンテンツで表現することが最重要だと私は判断しています。

リスティング広告の管理画面の調整ももちろん効果はありますが、インパクトを考えるとLPに軍配が上がると考えています。そのため広告管理画面上の調整だけで圧倒的な成果を上げようと考えておられる場合は、考えを改めることを推奨します。BtoB商材の場合、LP改善と広告運用はセットといっても過言ではありません。

BtoB商材のリスティング運用代行をしてくれる代理店をお探しであれば、ぜひ弊社も候補の1つに加えて頂ければ幸いです。コンテンツマーケティングも専門で行っているからこそできるノウハウで、LPに配置すべきコンテンツをご提案させていただきます。