リスティング広告とはGoogleやYahoo!の検索結果の下に表示される広告のことです。Web広告の中では最も費用対効果が高く、即効性もあることで知られており、売上に繋げやすい代表的な広告の1種です。

もし1秒でも早く売上を上げたいと考えているのであれば、選んで大きな間違いはないはずです。会社の規模問わず、広告を打つのであれば真っ先に候補に上げるべき種類でしょう。更に少額からでも始められるので、特に広告予算の確保が難しい中小零細企業にとって、これ以上うってつけの広告はないと弊社は確信しています。月額数万円からでも始められます。

最大の注意点は、成果を上げるためには知識やノウハウが必要なことです。そのためすぐに売上を上げたければ、プロの代理店に運用を任せることをおすすめします。弊社はリスティング広告の代行を行っている会社ですが、ポジショントーク抜きにして、初心者が始めから抜群の成果を出すのは難しいと判断しています。自分でも配信は可能ですが、設定が複雑なのですぐにプロ並の運用をするのは困難なはずです。

「ただコストの観点からどうしても自社で運用したい!」

こう考えている人もいると思います。これまで10人以上知識が全くない素人を、クライアントが持てるレベルの運用者に育てた私の感想としては、少なくとも最低限の運用の基本を理解するには3ヶ月は学習時間が必要だと思っています。ですので「3ヶ月以上時間がかかってもいい。そしてミスも織り込んだ上で絶対に自社で運用できるようにする!」という覚悟がなければ、代理店に任せるのを推奨します。その方がほとんどの場合費用対効果は高くなるはずです。

この記事ではリスティング広告がどんなものかを説明しながら、かかる費用や具体的にどんな状況でおすすめかを解説します。ご覧いただければ自社の集客で取り入れるべきか判断できるはずです。

前置きが長くて恐縮ですが、弊社は基本リスティング広告は代理店に任せるべきだという主張です。しかし

  • 毎月の代行手数料が数百万円と高くコストカットしたい
  • 自社商品に精通した人材に広告運用を任せて、きめ細かい運用を行いたい

といった場合は、インハウス化を検討すべきだと考えています。こういったお客様にはリスティング広告を自分で配信する方法や成果を上げるために気をつけることをご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者:株式会社オンジン 代表取締役 今井悠人

細かくリスティング広告について知りたい場合は、【リスティング広告完全ガイド】初心者でも圧倒的な成果を生み出す全手法をご覧ください。私の全ての知識を詰め込んだ、リスティング広告のマニュアルを作成しました。

オンジンではこの記事を執筆した、10年近く業界歴のある代表がリスティング広告運用代行を行っています。相場価格で腕の立つ運用者に依頼できますのでお気軽にご相談ください。⇒会社サービス紹介資料を見る(無料)

目次
  1. 1. リスティング広告とは検索結果の下に表示される広告のこと
    1. 1-1. Google広告
    2. 1-2. Yahoo!広告
    3. 1-3. Microsoft広告
  2. 2. リスティング広告の5つのメリット
    1. 2-1. 売上に繋がるユーザーを狙い撃ちできる
    2. 2-2. 少額から始められて無駄な費用がかかりにくい
    3. 2-3. やろうと思えば即日で配信できる
    4. 2-4. リアルタイムで調整可能
    5. 2-5. 配信結果が全て数値で確認できる
  3. 3. リスティング広告の5つのデメリット
    1. 3-1. 成果を出すためには知識やノウハウが必要
    2. 3-2. 業種によっては潤沢な予算が必要
    3. 3-3. 運用調整に手間と時間がかかる
    4. 3-4. 未知の商材には向いていない
    5. 3-5. Webと接点のないユーザーには向いていない
  4. 4. リスティング広告にかかる費用相場と内訳
    1. 4-1. クリックされる度にかかる費用
    2. 4-2. 代理店への代行手数料
  5. 5. リスティング広告で得られた効果の実例
    1. 5-1. BtoC
    2. 5-2. BtoB
  6. 6.すぐ効果を出したいならリスティング広告は代理店に任せるべき3つの理由
    1. 6-1. 知識やノウハウをすぐに身につけるのは難しいから
    2. 6-2. 運用は時間や手間がかかるから
    3. 6-3. 強みである即効性と費用対効果を発揮しやすいから
  7. 7. リスティング広告を自分で配信するやり方
  8. 8. リスティング広告で成果を出すためにやるべきこと
    1. 8-1. 代理店に任せる場合
    2. 8-2. 自社で配信する場合
  9. 9. リスティング広告で爆発的な成果を上げるには、小手先のテクニックよりユーザー理解を深めることが重要
  10. 10. リスティング広告についてよく頂く質問とその回答
    1. 10-1. リスティング広告に向いている商材はありますか
    2. 10-2. 広告掲載順位やクリック単価が決まる仕組みの詳細を知りたい
    3. 10-3. クリック率の相場は気にすべきですか
    4. 10-4. 競合から嫌がらせでクリックされていて困っているのですがどうしたらいいでしょうか
    5. 10-5. 運用上達の参考になるおすすめの本はありますか
    6. 10-6. おすすめのツールはありますか
    7. 10-7. ディスプレイ広告はリスティング広告に入るのでしょうか。どのような時に取り組べばいいか教えてください
    8. 10-8. 配信してSEOに良い影響はありますか
  11. まとめ

1. リスティング広告とは検索結果の下に表示される広告のこと

繰り返しになりますが、リスティング広告とはGoogleやYahoo!の検索結果の下に表示される広告のことです。上の画像の赤枠部分の「広告」という文字がついたものが該当します。特徴としては広告表示する際の検索語句を決められる点です。この仕組みを利用して、商品やサービスを求めているユーザーだけに広告を見せられるので、費用対効果が高い傾向があります。

そのため「すぐに売上を上げたい!」「費用対効果の高い広告を配信したい!」という願望をお持ちであればこれ以上うってつけの広告はないと弊社は確信しています。ぜひ検討ください。

次から代表的な媒体種類を1つずつざっくり説明します。詳しく種類ごとの特徴を知りたい場合はリスティング広告の全種類の特徴と選ぶべきメニューを解説をご覧ください。なお、この掲載イメージはGoogle広告ですが、他の種類でもほぼ見た目は同じです。

1-1. Google広告

言わずとしれた世界トップシェアを誇る検索エンジン「Google」に出せるリスティング広告です。Googleは最も多くのユーザーが利用していることもあり、リスティング広告の媒体では一番人気です。迷ったらGoogle広告を選びましょう。

他媒体と比べて機能も豊富です。例えば広告を出したいページを設定すればキーワードや広告文を全自動で作成して配信してくれるP-MAXという最先端の機能があったり、YouTubeに広告出せたりします。Yahoo!広告やMicrosoft広告にはこれら機能ありません。

リスティング広告を配信するのであれば使わないことは8年以上経験してきてほぼありませんので、必ず使うと媒体と言っても過言ではありません。迷ったらGoogle広告から始めてください。

1-2. Yahoo!広告

日本ではGoogleに次いで利用されているYahoo!に出せるリスティング広告です。シェア率はGoogleには及びませんが少なくはありません。

配信面以外でのGoogle広告との大きな違いは利用ユーザーです。40−65歳以上の中高年が多いため、これらの層がターゲットの商材を取り扱っているのであればYahoo!広告の利用を推奨します。

機能は残念ながらGoogleと比べると劣り、数々の知り合いの運用者からも管理画面の操作がしづらいとの感想が多いです。少しクセはありますが、中高年に配信するならGoogleと合わせて使用を強くおすすめする媒体です。

1-3. Microsoft広告

Windowsのパソコンを購入すると初期設定されているブラウザ「Bing」に配信できるリスティング広告です。2022年5月に登場したため比較的新しいです。Bingの使用率はYahoo!より低いですが、昨今話題のChatGPTが搭載されたりと大きく進化しているので、今後シェア率が伸びる可能性があります。

設定できることや操作感はGoogle広告と似ている(というかほぼ一緒)なので、Google広告に慣れていればそれほど学習することなく扱えるはずです。Yahoo!広告にも配信したけど、もっと面を増やしたいという場合はぜひMicrosoft広告も配信してみてください。

非常に似ていますがSEOとは全く仕組みや特徴が違います

リスティング広告とよく間違えられ、比較されるのがSEOです。SEOとはめちゃくちゃ簡単に言うと、検索結果の上部にWebサイトを表示されるようにする取り組みのことを指します。広告ではありません。

最大の特徴はクリックされても費用がかからないことです。リスティング広告はクリックされるたびに費用が発生しますが、SEOは1円もかかりません。そのため上手く行けば非常にコスパのよく集客できますが、弊社の感覚としては効果が出るまで1年以上はかかり、かかる労力も比にならないほど大きいです。厳密には業種によりますが、SEOの方が難易度は格段に高いと思っています。

違いの詳細やSEOにも興味のある方はリスティング広告とSEOの違いとどちらに取り組むべきかわかる判断基準で詳しく説明しますので、ぜひご覧ください。

2. リスティング広告の5つのメリット

続いてリスティング広告のメリットを説明します。他の広告と比較してどのような強みがあるのかを理解していきましょう。なおメリットは複数ありますが、最大の強みは上述した、商品やサービスを求めているユーザーだけに広告を見せられるので、費用対効果が高いことに尽きます。

詳細はリスティング広告のメリット・デメリットと配信におすすめな状況を解説の記事で説明していますので、合わせてご覧ください。

2-1. 売上に繋がるユーザーを狙い撃ちできる

リスティング広告は指定した検索語句の検索結果に広告を表示しますので、商品購入や問い合わせ等をする可能性の高いユーザーのキーワードを設定できれば、売上に繋がるユーザーのみを集客できます。

検索行動はよほど関心がないと行わない行為ですので、この行動をしている直後の上記ユーザーに広告を出せることはとても魅力的です。

例えば「給湯器 交換」という語句を検索する背景を例に挙げると

給湯器が故障した人

給湯器が故障してお湯が出なくてお風呂が沸かせない。風呂に入らず寝るなんてありえないし、一秒でも早く直したい!すぐ交換したいけどどうしたらいいのかな。

といった気持ちで検索していると想定できます。この検索直後に給湯器交換の広告を見せれば、かなりの確率で問い合わせしてくれそうなことは想像がつくかと思います。

2-2. 少額から始められて無駄な費用がかかりにくい

リスティング広告には最低出稿金額はありませんので少額からでも始められます。極端なことをいえば1円からでも可能です。とはいえ、目的次第ですが少なくとも20万円程度は用意いただくと安心かと思います。

また基本の課金方式はクリック課金式となっており、広告がクリックされた時に費用が発生します。クリックされない限りはかからないので、無駄に広告費がかかりにくいことも特徴の1つです。

余計な費用がかかりづらく少額から始められるということで、特に広告予算の捻出が難しい中小企業と非常に相性のよい広告です。予算が少ないけど広告を出したい…といった場合はぜひご検討ください。

2-3. やろうと思えば即日で配信できる

リスティング広告はやろうと思えば即日で配信できます。そのため少しでも早く集客したいと考えている方にうってつけです。

ただプロとしての目線で言わせていただくと、即日配信はおすすめできません。なぜなら戦略をしっかり立ててから配信しないと目的が達成できない可能性があるからです。

戦略がないとあれもこれやろうとして予算を分散させてしまったり等、リスティング広告の費用対効果を下げるリスクが生じます。更に本来不必要な設定を調整する時間がかかったりといいことは1つもありません。絶対やめましょう。特に予算が不足している中小企業は戦略を立ててから配信することを強く意識をすべきです。

戦略の重要性はリスティング広告の戦略の立て方と実行する上で重要なことで説明しているのでぜひご覧ください。

2-4. リアルタイムで調整可能

広告を配信した後でもリアルタイムで内容の変更や調整が可能です。変更できないことはありません。出すと二度と変更が効かない広告もありますので、メリットといえるでしょう。

よって、社内で打ち合わせをした結果、予算を増やして目標を上げることになった。別の地域にも配信してみることになった。商圏を狭めることにした。などとの戦略の変更にも柔軟に対応できます。

2-5. 配信結果が全て数値で確認できる

広告の表示回数やクリックされた回数など配信結果は全て数字で確認できます。問い合わせや資料請求の数も設定を行えば広告経由で何件発生したかわかるため、どれくらい効果があったかがわかりやすいです。

数値が見れてリアルタイムで改善できるので、費用対効果をどんどん上げていける広告を出したい!といった方にピッタリです。

そして、データはダウンロードもできるため報告もしやすいです。社内で数値報告を求められた際などもすぐに対応できますので、Web担当者さんであればこの点も安心いただけるかと思います。

3. リスティング広告の5つのデメリット

メリットがあれば当然デメリットもあります。こちらも考慮した上で、自社集客に取り入れるか判断してみてください。一番の欠点は成果を出すためには知識やノウハウが必要なことです。これは代理店に任せれば解決しますが、手数料がかかります。デメリットについても詳細記事で解説していますので合わせてご覧ください。

3-1. 成果を出すためには知識やノウハウが必要

成果はもちろんリスティング広告を配信するためには知識やノウハウが必要です。ただWebで調べれば手順やノウハウはわかりますし、この記事でもやり方は全て公開していきますので時間をかけていただければ理解はできるかと思います。

ただポジショントーク抜きにして、知識がない状態でリスティング広告ですぐ成果を出したいのであれば代理店に任せることをおすすめします。予算が数万円など大変少額であれば別ですが、特に50万円以上などある程度予算がある場合は代行手数料を加味してもプロに任せたほうが費用対効果は高くなることが多いでしょう。詰めて学習しても3ヶ月くらいは運用を理解するのに時間がかかると思っています。

私は経営者の立場なので、常日頃から経費は削りたいと思っています。ですのでコストを削りたいお客様の気持ちは痛いほどわかります。ただ手数料を支払ったとしても、しっかりした運用をしてくれる会社に任せれば黒字化はできますので、必要経費だと考えて頂くのがよいかなと思っています。

一番のオススメは自社でプロ並の運用をしていただくことですが、すぐにノウハウを蓄積するのは難しいので、習得する時間や手間が面倒であれば代理店に任せましょう。

3-2. 業種によっては潤沢な予算が必要

リスティング広告の設定するキーワードによってクリック単価が異なるため、高い業種であれば一定の予算がないと成果が見込めない場合があります。

以下はクリック単価の高いキーワードの一例です。問い合わせや資料請求の獲得が目標だとして、かなり大雑把にコンバージョン率が2%と設定すると次のようなコストがかかります。

キーワードクリック単価CPA(1件の獲得コスト)10件獲得するのに必要な予算
リスティング広告 代理店3,263円16,3150円1,631,500円
トラック 買取4,628円231,400円2,314,000円
薬剤師 転職11,596円579,800円5,798,000円
クリック単価はキーワードプランナーのページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯)を引用

ただ必ずしもこのクリック単価になるわけではありません。設定でより下げることも可能ですが、ツールでは上部に掲載するとこのくらいかかると表示されています。もし自社の業種の相場のクリック単価が気になる場合は弊社でお調べしますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。

3-3. 運用調整に手間と時間がかかる

リスティング広告は運用型広告という種類で、調整をしながら配信をして成果を改善していく広告です。そのため「運用」という調整が日々必要です。これをしないと成果は上がらないので絶対に必要です。出したら終わりの広告ではありません。やることの詳細はリスティング広告の運用とは?やるべき理由や実施内容を詳しく解説をご覧ください。

やるべきことは理解できれば正直難しくはないかとは思いますが、どうしても手間と時間はかかりますし、画面の操作方法を覚えるなど、学習コストもかかります。特に初月など配信して日が浅い時は細々とした調整することも多いです。

そのためやり方を覚えるのがめんどくさい。確実に成功させたい。といった場合は代理店に任せるのがおすすめです。

3-4. 未知の商材には向いていない

リスティング広告は商材と求める検索語句に対して広告を出すことで成果を出すものなので、そのような語句が存在しない、つまり認知されておらず、検索行動が発生しない商材は効果が出づらいため向いていません。

昨今であればスマートリングがこれに該当します。この図はGoogleトレンドという検索ボリュームの傾向を視認できるサイトでの調査結果です。

右端の2023年1月時点ではある程度認知されており検索もされているため、リスティング広告は効果的と判断できますが、左端の5年前は存在を知られておらず、スマートリングの関連の検索があまりされていないため、リスティング広告は向いていない可能性があります。

このような商材は別の広告を使った方が効果が出る可能性が高いため、ディスプレイ広告やFacebook広告など違う広告を使うことをおすすめします。

3-5. Webと接点のないユーザーには向いていない

リスティング広告はWeb広告なので、Google、Yahoo!で検索をしないWebと接点のないユーザーには広告を表示できないため向いていません。そのため例えば高齢者がターゲットのような商材はチラシやDMなどの紙媒体を使った方が効果が出る場合もあります。

令和3年度の総務省の調査によると、70歳以上になると約半数の49.8%の人がスマホやタブレットを使用していないと回答しているため、70歳以上がターゲットであれば紙媒体の広告を検討すべきといえるでしょう。

総務省:高齢者におけるデジタル活用の現状

ターゲットが高齢者の場合に限らず、相場のクリック単価が高い場合も、少額予算の場合は紙広告などの広告の方が効果的であるケースもあるので、リスティング広告以外の方法も積極的に検討することをおすすめします。

4. リスティング広告にかかる費用相場と内訳

ここからはリスティング広告にかかる費用の相場とどのようなコストがかかるか内訳を説明します。結論相場はYahoo!広告の公式情報によると、月額20-30万円程度です。

リスティング広告では、20万円から30万円程度を予算としてはじめるケースが多くなっています。

Yahoo!広告 コラム リスティング広告の費用はどのくらい?相場や予算の決め方、手数料を解説

ただし相場を気にする必要は全くありません。なぜなら自社の目的や目標値に合わせて決めることが重要だからです。また、業界によってクリック単価は異なるので、最適な予算は大きく異なります。適正予算は必ず計算して決めるようにしましょう。

計算方法はリスティング広告の費用相場と適正予算の計算方法で説明していますのでぜひご覧ください。もし面倒であれば弊社に相談いただければ無料で試算できます。お気軽にご相談ください。

前置きが長くなりましたが、内訳を解説していきます。

4-1. クリックされる度にかかる費用

媒体社であるGoogleやYahoo!に支払う費用です。リスティング広告は広告がクリックされる度に費用がかかる仕組みのため、これは自社運用・代理店運用問わず絶対にかかります。

上述したようにクリック単価はキーワードによって大きく異なります。ざっくり言ってしまうと、競合が高く設定すればするほど上昇します。なぜならクリック単価は同じキーワードを設定する、競合する広告主のオークションによって決まるからです。ですので儲かるキーワードは高くなります。

クリック単価が決まる仕組みの説明

上図をご覧ください。市場のせりの如く、このように特定のキーワードに対して100円!500円!800円!といったように広告主同士で買い注文をつけます。この価格がキーワード毎に設定する入札価格です。

説明の便宜上、広告が出せる枠が2つしかないとします。するとこの例だと100円で入札した広告主は広告が出せません。そして一番上の枠は800円。二番目は500円が1クリックでかかりますが、広告が出せます。よってこのキーワードで広告を出すために最低限かかるクリック単価は500円になります。

実際はもっと様々な要素含まれますし、厳密に言うと異なる部分もありますが、クリック単価が決まる仕組みを簡単に解説するとこのような形になります。

クリック単価が決まる仕組みの詳細はリスティング広告のクリック単価相場の調べ方と効果的な下げ方で解説していますので、ぜひご覧ください。

4-2. 代理店への代行手数料

自社で運用せず代理店に任せる場合は、代行手数料が追加で発生します。代行手数料の中には、初期構築代行手数料と運用代行手数料の2つが含まれていますのでそれぞれ分けて説明します。

①初期構築代行手数料

リスティング広告のアカウント構築、運用の戦略設計など配信準備にかかる工数に対して初回のみ支払う手数料です。ゼロ円の会社もありますが、運用品質をウリにしているのであれば設けている会社が多い印象です。というのもしっかり調査分析を行い戦略を立てると、それなりに工数がかかるからです。

高い会社で20万円。そこそこで10万程度。安いと3万円くらいです。高ければ必ずしも丁寧とは断言できませんがある程度比例はするはずです。弊社の保身目的としてもお伝えしておきますが、10万円くらいであれば全然ぼったくりではないです。

注意点として、初期構築代行手数料は安ければいいわけではないです。私は経営者なのでよくわかりますが、できるだけ不要な経費は削りたいですよね。ただ、しっかり戦略を練るための手間賃が初期費用であれば必要な投資だと思います。最悪なのは戦略なしで配信をスタートしてしまうことです。

初期費用が安い会社が戦略をおろそかにしているとは決して言いません。お伝えしたいのは、本当に効果の出る配信をするのであれば、綿密な戦略設計は必ずセットになるはずだということです。

戦略がない運用はあれこれやろうとして予算を分散させてしまい、リスティング広告の費用対効果を下げてしまう恐れがあるということです。よって「戦略をおろそかにする=予算が無駄になるリスクのある運用をする」と同義だと私は考えています。それほどリスティング広告の戦略は重要です。

特に予算が100万円以上などある程度の額になると、戦略が適当な故に初期費用以上の予算を初月からぱぁにしてしまうことも考えられるので、ある程度の予算をかけるのであればしっかり戦略を立ててくれる代理店を選ぶことをおすすめします。もし初期構築代行手数料なしでしっかり準備をしてくれる会社を見つけたら、ぜひ大切にしてください。貴重です。

②運用代行手数料

運用調整やレポーティングなどの工数に対して毎月支払う手数料です。相場は予算の20%です。10%など安い会社もありますが、運用品質をウリにしている場合は20%が多い印象です。

戦略もそうですが、リスティング広告は運用でも成果に差がつきます。そのため、しっかり運用してくれる会社を選ぶのがポイントです。安くても運用が適当だと成果が伸びず、かえって損をしてしまうのでそういった会社は選ばないでください。逆に高いからと言って絶対しっかり運用してくれるとも限らないため注意が必要です。

初期構築費用同様、安い=運用が適当とは言いません。ただ安くするということは、クライアントをたくさん抱えないと会社は儲かりません。ですので、運用に時間をかけるには

  • 運用者の労働時間を長くする
  • 運用者を増やして一人の案件保有数を分散させる
  • 単純作業を外注やシステム化して運用に使える時間を確保する

などの対応をする必要があります。パワーで押し通すかなにかしら工夫しないと丁寧な運用ができる環境を作ることが難しいでしょう。こういった取り組みをしていない安い会社は注意が必要です。

そのため確実に丁寧な運用をしてくれる会社をお探しであれば、一人の運用者が抱える案件数が10件以下など少なく設定している会社がおすすめです。8年以上運用してきた私の感覚としては、これくらいの数であれば運用にかけられる時間は捻出できると思っています。

5. リスティング広告で得られた効果の実例

ここではリスティング広告を配信してどんな結果が出たかを実例で紹介していきます。もっと複数&詳細を確認したい場合はリスティング広告で得られる効果と結果を出すためのコツをご覧ください。注意点として同じ業種であってもサービス内容や知名度は会社によって異なりますので、同じ効果が出るとは限りませんのでご理解くださいませ。CVが成果、CPAがそれの成果を1件獲得するのにかかった費用です。

5-1. BtoC

①給湯器交換

月額広告費CV(問い合わせ)CPAクリック数CPC
¥2,720,986168件16,211円7,123382円

CPAを低くおさえられ、CVを取れば取るだけ黒字になる好循環が作れた事例です。競合性は高いですが、給湯器は粗利率、緊急性が高く、リスティング広告ととても相性の良い商材です。

②食品通販

月額広告費CV(商品購入)CPAクリック数CPC
¥542,520447件¥1,2154,521¥120

平均商品単価5,000円ほどの食品通販です。特需の影響もありますが1ヶ月で450件近くをリスティング広告だけで売り上げました。需要の高まる時期にスポットで配信することで費用対効果を大きく高めた事例です。

5-2. BtoB

①税理士

月額広告費CV(問い合わせ)CPAクリック数CPC
¥1,014,21096件¥10,5422,865¥354

小規模事業者をメインとした顧問税理士です。確定申告時期が近い時期に需要が増えたこともあり、問い合わせを効率よく獲得できました。税理士は長期契約に繋がればLTVは高いため、リスティング広告と相性が良いといえます。

②看板製作

月額広告費CV(問い合わせ)CPAクリック数CPC
¥503,24877¥6,5443,544¥142

店舗看板を主に制作されている看板屋です。商品によって粗利が大きく異なるため、できる限り粗利の高めの大型看板を求めるユーザーのクリックを流入するよう運用しました。

効果の実例紹介は以上です。BtoBのリスティング広告運用についてはBtoB商材のリスティング広告で圧倒的な成果を出すための原則でもノウハウをまとめていますので、こちらも参考にしてください。

6.すぐ効果を出したいならリスティング広告は代理店に任せるべき3つの理由

繰り返しお伝えしていますが、すぐにリスティング広告で成果を出したいなら代理店に任せてください。なぜここまで強くお伝えしているかを3つの理由を交えながら説明していきます。ポジショントークではなく、本当にお客様の幸せを考えた上での主張です。

リスティング広告代理店の選び方は中小企業が爆発的な成果を出すためのリスティング広告代理店の選び方完全ガイドで詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

6-1. 知識やノウハウをすぐに身につけるのは難しいから

これまで10人以上知識が全くない素人を、クライアントが持てるレベルの運用者に育てた私の感想としては、少なくとも最低限の知識とノウハウを身につけるには最低3ヶ月は学習時間が必要だと思っています。ですので「3ヶ月以上時間がかかってもいい。そしてミスも織り込んだ上で絶対に自社で運用できるようにする!」という覚悟がなければ、代理店に任せるのを推奨します。その方がほとんどの場合費用対効果は高くなるはずです。

しかもこの3ヶ月というのは、私が部下の横でつきっきりで不明点があればすぐ回答していた環境での話です。ですので完全独学で学ぶ場合は2倍以上かかってもおかしくないと感じます。ただ昨今は、リスティング広告が学べるスクールが開講されているので、こういったサービスを利用するのは1つの手だと思います。

6-2. 運用は時間や手間がかかるから

運用はどうしても手間と時間がかかります。特に初月など配信して日が浅い時は細かく調整をしないとなかなか改善に繋がりません。皆さんは本業の仕事もありますので、片手間でやることになるはずですが、知識とノウハウが未熟な状態だと、ある程度まとまった時間が必要になるでしょう。初月であれば少なくとも毎日30分程度は確保していただきたいです。

これが難しければ、代理店に依頼して運用してもらったほうが手間もかからず、成果も期待できます。だったら手数料がかかってでも任せたほうが幸せだと私は思います。人件費として捉えたらそこまで高くないとみなせる場合もあるでしょうし、しっかり運用してくれるのであればそのくらいの価値はあるはずです。

6-3. 強みである即効性と費用対効果を発揮しやすいから

リスティング広告は即効性と費用対効果の高さがウリですが、これはしっかり運用ができた上ので話です。運用が上手く行かず、狙うべきユーザーに広告が適切な内容を見せられていない状態であれば、期待の効果は得られません。よって確実に長所を活かすという観点においてもプロの代理店に任せることを推奨します。

基本代理店に任せることを推奨しますが、このような目的であればインハウス化を検討ください

リスティング広告は代理店に任せることを推奨していますが、以下のようなことが目的であればインハウス化を検討すべきだと思っています。

  • 毎月の代行手数料が数百万円と高くコストカットしたい
  • 自社商品に精通した人材に広告運用を任せて、きめ細かい運用を行いたい

上手く内製化できれば代行手数料が浮きますし、対応が遅い代理店に任せているのであればPDCAのスピードも向上することでしょう。

ただし広告運用は上述の通り、すぐに身につけられるスキルではなく、手間もかかります。そして属人性の高い仕事のため、担当者が育っても退職してしまうと振り出しに戻ってしまうリスクがあります。また、代行手数料はかかりませんが、人件費はかさむはずです。

これらを念頭に置いた上で、集中して広告運用に取り組める環境(マーケティングの専属担当部署を配置する等)が作れるのであればぜひ検討してみてください。難しければ運用に手がかけられず、失敗に終わってしまうリスクが高くなると判断しています。ただ例外的に月2.3万円といった本業の片手間でも運用できる少額の場合は、この限りではありません。

7. リスティング広告を自分で配信するやり方

ここからはリスティング広告は代理店に任せず、自分で配信するやり方をざっくりと説明していきます。配信するだけであればパソコン操作が得意な方ならそれほど躓くことなく進められるはずですので、「自分で一度試してみたい!」という方はぜひ次の通り進めてみてください。

  1. 広告アカウントを開設する
  2. 支払い設定を行う
  3. キャンペーンを設定する
  4. 広告グループ(キーワードと広告)を設定する
  5. コンバージョン測定の設定をする

詳細の手順はリスティング広告を自分で始めるやり方と初心者でも成果を出す秘訣で説明しています。Web広告に詳しくない方でもわかりやすいよう、できるだけ専門用語を使わず解説していきますので、やり方がわからずお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

補足としてリスティング広告はGoogle広告、Yahoo!広告、Microsoft広告の3種類ありますが、一番操作しやすく多機能なのがGoogleですので、初心者はまずはこれからチャレンジするのがおすすめです。

8. リスティング広告で成果を出すためにやるべきこと

繰り返しお伝えしていますが、リスティング広告で成果を出すためには運用が重要です。配信しただけで完結するものではありません。そして代理店に任せたとしても、運悪く運用が適当だったり、情報が不十分だと満足いく結果にならない可能性が高まります。

ここでは代理店に任せる場合と自社で運用する場合に分けて、リスティング広告で成果を出すためにやっていただきたいことを説明します。どちらの場合でも満足行く結果が出るような情報提供ができれば幸いです。

8-1. 代理店に任せる場合

まずはじめに推奨する代理店に任せる場合に気をつけるべきことを説明します。プロに任せたらもう終わりという訳ではありませんので注意してください。

①実績豊富の代理店かつノウハウのある運用者を選ぶ

代理店に任せても経験が浅い新人が担当になってしまうと適切な運用がされない可能性があります。実績のある代理店であれば、経験豊富な上司がバックアップするので、一定の品質は担保されるはずですが、ベストは専属で実績豊富な人に運用を任せることです。

ですので、まず代理店は実績のあるところから選ぶと大きく失敗する確率は下げられるでしょう。そして運用者の指名ができるようであれば、その会社の社員紹介ページを見て実績があり信頼できそうな人を選ぶことを推奨します。

これを判断するための質問も考えましたのでぜひ参考にしてみてください。実績の数と質いずれも確認することが大事です。私がソースばかりの内容で恐れ入りますが、8年以上運用してきて、10人以上運用者を教育してきた経験則によるものです。

質問項目推奨回答
運用経験年数3年以上
運用してきた社数少なくとも10はほしい。額よりも経験数が重要。
大きく成果を上げられた事例・CPAがいくら下げられたか
・CVがいくら増やせたか
それぞれ確認して事例ベースで答えられると良し。
ベストは売上を伸ばしビジネスの発展に寄与していることがわかる回答

一番見るべきは経験年数です。特にどれほど有名な会社でも運用歴が1年に満たない方が担当についた場合は注意したほう良いです。もし、成果が芳しくないようであれば上司にバックアップしてほしいと強く伝えておきましょう。広告運用は属人性の高い仕事ですので、運用者の能力で大きく成果が左右されます。

また運用経験金額の高さは目を引きがちですが、正直にお伝えすると少額のほうが難易度は高いことも多いのであまり気にしない方がよいです。なぜなら予算が少ないとデータの蓄積スピードも遅いので、施策の効果検証に時間がかかります。なので当たる施策を早くから打てる能力が求められるからです。

数億円運用してましたとか言われるとすごいと感じちゃいがちですが、私は運用能力と金額は比例しないと思っていますし、この規模のお客様が多くいらっしゃる信頼できる他の代理店の経営者さんも同意見です。目安にはなりますがそれだけで代理店や運用者を決めるのはおすすめできないです。

②丸投げせず情報提供するなど協力して運用してもらう

せっかくノウハウのある代理店や運用者に任せられても、全て丸投げして何もしないという対応では最高の運用はできないと思っています。なぜなら一番消費者のニーズや競合他社など、業界について詳しいのは、代行を任せる皆さんだと思っているからです。そのため、以下のような業界人でないとはっきりわからない情報は配信開始前に提供できると運用の精度が上がるはずです。ぜひ積極的に情報は共有してあげてください。

  • 問い合わせしてくれたお客様の状況
  • よく比較される競合
  • 最終的に選ばれる理由

調査をしっかり行う運用者や会社であれば、これらを率先してヒアリングしたり、自身で調べるでしょう。しかし残念ながら全員がそうではないと思っています。広告を最大限成果を上げるのであれば、依頼者からの協力は必要不可欠だと私は感じます。

参考までに弊社が配信前に行う戦況分析のページを載せておきます。記載の情報で共有できそうなものがあればぜひシェアしてみてください。喜ばれるはずです。

③成果が3ヶ月経っても出ないなら乗り換えを検討

これはそもそもの話になってしまいますが、しばらく運用を任せていても成果が改善されなければ担当者の能力不足である可能性があるため、代理店の乗り換えを検討してください。目安は配信して3ヶ月です。これくらいの期間があれば、たとえ予算が10万円を切るような少額であっても検証に足りうるデータが蓄積されているはずですので、ノウハウがある運用者であれば改善の兆しが見えているはずでしょう。

配信初月など日が浅い場合は、特に経験のない業種であればコンバージョンするキーワードの傾向が掴めず、CPAが高い状態であることは往々にしてあるので、3ヶ月経っていなければ様子見することをおすすめします。

注意点として少し言いづらいですが、お客様のサービスに問題があって成果が出ない場合もあるため、一概に運用者の能力不足だとは断言できません。他責にするのと同義なのでこんな発言をする運用者はほとんどいないはずですが、広告は魔法の杖ではないということは私はハッキリお伝えします。そのため、自社サービスにも課題はないか目を向けてみると好転するきっかけになるかもしれません。

乗り換えで気をつけるべきことはリスティング広告代理店の乗り換えを検討すべき状況と失敗を防ぐために気をつけるポイントにまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

8-2. 自社で配信する場合

続いて代理店に任せず自社で配信する場合、成果を出すためやって頂きたいことを説明します。簡潔にお伝えすると、基礎知識を理解してしっかり運用することが重要です。繰り返しになりますが、リスティング広告は配信しただけでは最高の成果は出ません。その後の運用が大事ですので、絶対に手を抜かないようにしましょう。

①基礎知識や考え方を習得する

まずは運用に必要な知識や考え方など基礎を習得しましょう。車の運転をする前にどこを押したら何が起こるかを車高の座学で学ぶのと同じように、リスティング広告も現ナマで運用する前に基礎を理解しておくことが重要です。そうしておかないと大事故(予算を大きく無駄にしてしまう)ということが起こりかねませんので、必ず基礎を習得してから運用に望むようにしてください。

具体的には以下3つを学習するのがおすすめです。もっと細かいですが、実際私は大まかにこのような手順で部下を指導してクライアントを持てるレベルに3ヶ月で仕上げられています。

■リスティング広告の用語理解

まずリスティング広告の管理画面を操作している時に目につく用語の意味を理解しておきましょう。意味がわからないと上手にググれず、学習効率が悪い状態が続いてしまいますので…。

Web業界に関わりのない方であれば聞き慣れない用語ばかりで最初は混乱するかと思いますが、英語を勉強するように一つずつ理解していけば大丈夫です。なぜなら私も最初は何を言っているのか訳が分からず発狂しそうだったからです笑。こんな人でも今では立派に運用しているので皆さんもできるはずです!

まずは最低限これは覚えておくべきだと感じる用語をまとめましたので、これから勉強するぞという方はぜひ参考にしてみてください。見てなんとなく意味が理解できそうなものは割愛しており、覚えるべき用語は実際はこれの数倍はあります。

用語(カッコ内はその略語)意味
インプレッション(IMP)広告の表示された回数
クリック数(CT)広告がクリックされた回数
クリック率(CTR)広告がクリックされる確率
クリック単価(CPC)広告がクリックされてかかった費用
コンバージョン(CV)広告経由で設定した目標(問い合わせ等)に到達した件数。いわゆる成果
コンバージョン率(CVR)コンバージョンする確率
コンバージョン単価(CPA)コンバージョン1件を獲得するためにかかった費用
コンポーネントキャンペーン、広告グループ、キーワードそれぞれ階層のこと
キャンペーン(CPN)広告グループを束ねる階層。アカウントの中で最も上位の階層
広告グループ(ADG)広告、キーワードを束ねる階層
検索クエリ(クエリ)広告がクリックされた時にユーザーが検索した語句
マッチタイプ広告の表示範囲を調整できるキーワードの設定
除外キーワード特定の語句を含む検索に対して広告が表示されないようにする設定

用語の理解と平行して、各コンポーネントでどのような設定ができるのかを理解おきましょう。例えばキャンペーンであれば、日予算、配信地域、開始終了日といった感じです。これが頭に入っていないと、やりたい設定をするためにどこを操作すればいいのかがわからなくなってしまいます。車で言えば、アクセルを押せば発進。ブレーキを押せば止まることを理解していくイメージ。リスティング広告も似たようなものです。

■リスティング広告のロジックツリーを理解する

用語をある程度理解できるようになったら次は上図のリスティング広告のロジックツリーを理解しましょう。これが理解できれば、成果を最短で改善するために、どのような筋道でどんな施策を打てばいいかを判断できるようになります。

この考えは運用する上でとても重要です。運用で一番大事なことは?と質問されたら私は「ロジックツリーを理解していること」とお答えするレベルです。計算式含め常に頭の中にこの考えを入れておかないと、的を得た運用はできないと思っています。絶対に運用する前に理解してください。

リスティング広告のコンバージョン数を改善する図

考え方の例を出すと、コンバージョンを増やすためにはクリック数を増やすか、コンバージョン率を上げるかの2択があります。前者に伸びしろが大きいと判断すれば、更にクリック数増加に関連する、インプレッション、クリック率どちらを改善するか決めて、効果の大きな施策を実施するというイメージです。

ちなみにロジックツリーとは問題をツリー状に分解し、論理的に原因や問題解決策を導き出すフレームワークのことを指します。コンサル会社だと入社して一発目に叩き込まれる考えです。リスティング広告に限らず、様々な問題解決に使えるものなのでぜひこの機会に習得して、本業でも活かしてみてください。

ロジックツリーを含めたリスティング広告の基本の改善手順はもう迷わない!リスティング広告の目的別改善手順と注意すべきことでまとめています。合わせて確認してみてください。

■管理画面の操作に慣れる

基礎習得の最後として、管理画面の操作に慣れておきましょう。車高で言うと教習コースで走って、路上に出る前に操作に慣れておく感じです。知識だけあっても実際操作できないと意味はありませんので。入金設定をしなければ広告をオンにするなど、どんなことをしても費用がかからないためご安心ください。

コツはありません。慣れるまで操作しまくってください。目指すのは無意識で自分が調整したい箇所まで到達できる状態です。例えば配信地域を変更したいのであれば、キャンペーンをクリックして地域設定にすぐたどり着くといった形です。ここまで準備しておけば運用をする準備は万全でしょう。

本来はお客様用ですが、操作方法の動画を作成する予定なので、完成したらこちらの記事にもアップします。ぜひ参考にしてみてください。

②運用する

基礎が理解できたら実際に広告を流して運用をしていきましょう。運用でやることは主に予算管理とアカウント調整で構成されますが、ここでは成果に関わるアカウント調整に関して解説します。やれることは膨大にありますので、その中でこれは絶対時間をかけるべきと断言できるものを深ぼっていきます。結論下記2つです。

  • 戦略を立ててアカウント構築する
  • キーワードと広告文の改善を怠らない
■戦略をしっかり立ててアカウント構築する

戦略をしっかり立てて配信しないと目的が達成できない可能性があります。そのため配信前のアカウント(キャンペーン、広告グループ、キーワード、広告文)構成を絶対に適当に作らないでください。設計が適当の家は欠陥が出るのと同じで、構成がダメだとどんなに必死に運用しても期待できる効果は出ません。

リスティング広告はやろうと思えば即日で配信できます。ただこのような背景からプロ目線で言わせていただくと、戦略を蔑ろにしてスピード重視で配信するのは、成果を最大化するという観点においておすすめできません。

選択と集中

繰り返しになりますが、戦略がないと上図のようにあれもこれやろうとして予算を分散させてしまい、費用対効果が下がり目的達成できないリスクが生じます。更に本来不必要な設定を調整する時間がかかったりといいことは1つもありません。特に予算が不足している中小企業は戦略を立ててから配信することを強く意識をすべきです。

戦略の立て方はリスティング広告の戦略の立て方と実行する上で重要なことで全て説明しているので参考にしていただき、アカウント構築をしてみてください。

■キーワードと広告文の改善を怠らない

成果が出るかを大きく左右する設定がキーワードと広告文です。これらがズレたまま配信を続けてしまうと費用対効果が低くなってしまうので、時間がなくても必ずこの2つだけはチェックして改善をするようにしてください。どのユーザーに何を届けるかを決めるものなのでズレがないように調整しましょう。

改善方法は以下にまとめておりますのぜひご覧ください。戦略設計段階で定めたユーザーが検索する語句からクリックされているか、求めている便益が含まれている広告見出しがクリックされているか。を確認していくことがポイントです。重要なページから並べているので上から順にご覧ください。

キーワード
100社以上運用してきた私が教えるリスティング広告のキーワードの選び方
除外キーワードとは?効果の出る選び方と設定方法から理解すべき仕様

・広告文
リスティング広告のコンバージョンが増える広告文の作り方と改善テクニック
レスポンシブ検索広告とは?コンバージョンを獲得するための作成ポイントも解説

以上が自社でリスティング広告を配信して成果を出すためやって頂きたい内容の説明です。

9. リスティング広告で爆発的な成果を上げるには、小手先のテクニックよりユーザー理解を深めることが重要

自社運用・代理店運用関わらず、リスティング広告で成果を上げるために忘れてはいけないことを少し紹介させてください。

リスティング広告の運用をはじめていくと、皆さんは様々なテクニックや配信メニューを知ることになるはずです。キーワード挿入機能、広告カスタマイザー、Hagakure、、P-Max、DSA等々めぼしい機能がたくさんありますし、これからも増え続けていくでしょう。

こういったテクニックを理解して取り入れることは大事です。ただそれ以上に私が重要だと考えているのがユーザー理解を深めることです。自身の経験からも、これを疎かにしてしまうと爆発的な成果は上げられないと確信しています。

  • 何を求めているのか
  • どういった状況で検索しているのか
  • どんな情報が提供されたら嬉しいのだろうか
  • 反対にされて嫌なことはなんだろう

こういったことを真剣に考えて、運用に反映させることが重要です。というのもある程度ちゃんと運用できれば狙ったユーザーを集客することはできるはずで、そこからコンバージョン率を上げて、更に成果を増やしていくために大事なのは、ユーザーにどんぴしゃの価値提供ができるかどうかだからです。経験のある運用者でもここは大きく差が出ます。

例を出すと、ランディングページの改善はこれが顕著です。価値が伝わるコンテンツを配置して改善ができればCVRは2倍以上に上がり、CPAも半減。といったことも可能です。LPがリスティング広告に必要な理由と格安で成果の出るものを作る手順で詳しく説明していますのでぜひご覧ください。

ページ改善の要点を簡単にお伝えすると、ユーザーが求めていることをズレも漏れもなく伝えることです。ただこれは人の気持ちを考える力が求められます。よってテクニックありきでの運用はどこかで改善が頭打ちするはずだと思っています。

また広告のシステムがどんどん優秀になっていき、いずれは全自動で運用してくれるようになるでしょう。(今もP-MAXがこれに近いですが)よってテクニック以上に、画面の向こうユーザーの感情や状況を理解して、それを届ける能力が必要であり、今後求められてくると確信してるからです。

特にこれからリスティング広告を始める初心者の方はテクニックに目が行きがち(私はそうでした)だと思いますが、この考えを忘れないようにして、ユーザーに価値を届けてコンバージョンをバシバシ増やせる運用に繋げていただけると幸いです。

10. リスティング広告についてよく頂く質問とその回答

最後にお客様や部下を指導する際に頻繁に聞かれる質問とその回答を記載します。もしここにないもので疑問があれば問い合わせいただければ回答いたしますので、お気軽にご連絡ください。

10-1. リスティング広告に向いている商材はありますか

次の3種類どれかに当てはまっていれば向いていると判断しています。

①粗利・利益率が高い
商材によって1クリックの相場はある程度決まっているため、これらが低いと広告費をペイすることが難しいためLTVが高い場合は向いている。

②リピート率が高い
①同様、リピート率が高くLTVも高くなる場合は向いている。

③緊急商材
検索結果の最上部にサイトを掲載できるため、消費者が真っ先に検索行動を起こし、目についたページを見てすぐ購入検討する商材はコンバージョン率が高く、相性抜群です。

リスティング広告は即効性があり費用対効果が高い特徴のため、基本どんな商材でも効果は出やすいですが参考にしてみてください。

10-2. 広告掲載順位やクリック単価が決まる仕組みの詳細を知りたい

広告ランクというページ上でどの広告をどの位置に表示するかを定める数値によって決まります。検索が行われた瞬間に広告がオークションにかけられ、その時の競合広告主、検索した状況などによって変動します。そして自社の下部の広告主の広告ランクを上回るために最低限必要な金額がクリック単価になります。入札単価=クリック単価ではないため注意をしてください。

広告ランクとは?仕組みや上げ方を300社以上運用してきた代表が解説で詳細を説明していますので、ぜひご覧ください。

10-3. クリック率の相場は気にすべきですか

全くしなくていいです。ただし上げる努力は必要。ロジックツリーを見て頂くとわかる通り、クリック数はクリック率が上がると増えるからです。ただし煽ったり誇張表現をして上げるのはやめましょう。たとえクリックされてもコンバージョン率が落ちてCPAが下がる要因になります。ユーザーが求めている価値が提供できている広告文が作れているかという視点で改善するのがポイントです。

10-4. 競合から嫌がらせでクリックされていて困っているのですがどうしたらいいでしょうか

無効なクリックを判断されれば料金はかかりませんのでご安心ください。広告主の費用や、広告を掲載するウェブサイトの所有者の収益を意図的に増やすために手動で行われるクリックは無効とシステムがみなします。ただしこれはシステムの判断になるため、不正とみなされない場合もあるはずです。詳細はヘルプをご覧ください。Google公式ヘルプ. 無効なクリック: 定義

10-5. 運用上達の参考になるおすすめの本はありますか

いちばんやさしいリスティング広告の教本
リスティング広告 成功の法則

特にこの2冊がおすすめです。これから運用を始める方は1、少し慣れてきたら2という順番で読んでいただければ内容が入りやすいと思います。おすすめ本については別記事で詳しく解説予定ですのでお待ち下さい。注意点としてアップデートの関係で本の情報が古い場合もあるので、媒体のヘルプページと照らし合わせるようにしましょう。

10-6. おすすめのツールはありますか

上図が私のおすすめツールです。目的別に運用歴8年の代表が教えるリスティング広告のおすすめツールの記事にまとめています。たくさんありますので、状況に合わせて参考にしてみてください。

10-7. ディスプレイ広告はリスティング広告に入るのでしょうか。どのような時に取り組べばいいか教えてください

厳密に言えば入りませんが会社の定義によります。リスティング広告はリストに載せるという動詞listの動名詞listingが名前の由来になっているので、本来は検索連動型広告のみを指します。使うべき状況は確度の高いニーズの顕在化していないユーザーを狙う際に使用するのがおすすめです。

例えばウォーターサーバーの契約がCVだとしたら、育児メディア、お酒好きが見るメディアに配信するといったイメージです。これらメディアを閲覧するユーザーは、飲料水にこだわりを持っている可能性が高く、バナーを見せることでニーズを顕在化させ、CVに繋げられる見込みが立ちます。

ただ検索連動型広告の方が費用対効果は高い傾向があるため、こちらで手を尽くしていなければ配信はおすすめしません。

10-8. 配信してSEOに良い影響はありますか

ありません。10年程前の動画ですが、当時Googleのスパム対策チームのリーダーMatt Cutts氏が証言しています。英語になりますが気になる方はぜひご覧ください。

注意点として取り組んでいるだけでは、SEOの掲載順位やリスティング広告の成果には影響しませんが、データやコンテンツを活用することで相乗効果は期待できます。

例えば、リスティング広告でコンバージョンに繋がっている検索語句での流入を狙ったコンテンツを作る。広告のリンク先を記事コンテンツにすることでよりコンバージョンを増やせる可能性があります。そのため弊社はSEOとリスティング広告両方に取り組めると、相乗効果も期待できるためベストだと考えています。

まとめ

リスティング広告とはGoogleやYahoo!の検索結果の下に表示される広告のことです。Web広告の中では最も費用対効果が高く、即効性もあることで知られており、売上に繋げやすい代表的な広告の1種です。

もし1秒でも早く売上を上げたいと考えているのであれば、選んで大きな間違いはないはずです。会社の規模問わず、広告を打つのであれば真っ先に候補に上げるべき種類でしょう。更に少額からでも始められるので、特に広告予算の確保が難しい中小零細企業にとって、これ以上うってつけの広告はないと弊社は確信しています。

成果を上げるためには知識やノウハウが必要ですので、すぐに売上を上げたければ、プロの代理店に運用を任せることをおすすめします。

弊社株式会社オンジンは「関わる人全員を家族と同じように大切にする」のビジョンの元、ユーザーの幸せをどの会社よりも考えたリスティング広告運用代行を行っております。成果が出るかどうかは、ユーザーに提供できた幸福度合いで大きく変わると確信しているからです。もちろんテクニックもとことん追求しています。

記載した通り、自身の経験からユーザーは理解を疎かにしてしまうと爆発的な成果は上げられないと確信しているため、ユーザーが何を求めているのか、どうしたら喜んでくれるかを家族と同じように真剣に考えて、どんぴしゃの価値提供ができるよう運用しています。大きな成果は人の幸せを真剣に考えた結果だと捉えています。

成果も出してくれるしとにかく誠実な会社にリスティング広告運用代行を任せたい!という方であればピッタリのはずですので、信頼できる代理店をお探しの方はぜひ一度ご相談いただけると幸いです。