LPとは、ランディングページの略で、縦長の1ページで商品やサービスの紹介を完結させるものです。

リスティング広告を配信するのであれば、コンバージョン獲得の観点からLPは基本的に用意すべきです。配信を決めているがまだ準備できていない場合は、作成が必要な認識をしておきましょう。

なぜならリスティング広告はニーズが絞り込まれたキーワードに配信できるため、ユーザーが求める商品だけを詳細にLPで説明した方が、魅力が過不足なく早く伝えられるので成約に繋がりやすいからです。

ただし例外として、家電製品など複数の商品を閲覧してもらって購入に繋げたい場合は、様々な商品ページが見られるホームページをリンク先にした方がコンバージョンが取れることはあります。このような商品でない場合はリスティング広告の特性上、LPをリンク先にすべきでしょう。

複数売りたい商品があればベストは商品ごとにLPを作るべきですが、コストや手間がかかるので、まずはメインで売っていきたい商品を優先してLPにすることをおすすめします。

この記事ではLPがリスティング広告に必要な理由と格安で成果の出るものを作る手順をご紹介します。LPは作れば必ず成果が出るものではないので、ポイントを押さえることが重要です。

私はこれまで100業種、300社以上のリスティング広告運用をしてきて、数えきれないほどLP改善をしてきました。そして有益なコンテンツを提供して最終的に売上に繋げる、コンテンツマーケティングも専門で行ってきたからこそ伝えられる情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 1. リスティング広告にLPが必要とされる3つの理由
    1. 1-1. ニーズが絞り込まれたキーワードの最適解を提供できるから
    2. 1-2. 安く早く作れるから
    3. 1-3. 広告の品質が向上し、広告掲載順位の上昇やクリック単価の低下に繋がる可能性があるから
  2. 2. リスティング広告をLPではなくホームページをリンク先にして配信してもよい2つのケース
    1. 2-1. 複数の商品やサービスを閲覧してもらって購入に繋げたい場合
    2. 2-2. 売りたい商品だけに特化したホームページである
  3. 3. リスティング広告でコンバージョンが取れるLPの4つの特徴
    1. 3-1. ファーストビューで商品の特徴とベネフィットが伝わる
    2. 3-2. ユーザーのニーズを満たすコンテンツが配置できている
    3. 3-3. バリュープロポジションが訴求できている
    4. 3-4. デザインがターゲットユーザーのトンマナに合っている
  4. 4. リスティング広告で配信するLPの制作費用相場は30〜50万円
  5. 5. リスティング広告で成果の出るLPを格安で制作する手順
    1. 5-1. 目的を確認する
    2. 5-2. 3C分析を行う
    3. 5-3. ターゲットを決める
    4. 5-4. 配置すべきコンテンツを決める
    5. 5-5. ワイヤーフレームを作成する
  6. 6. リスティング広告でコンバージョンが取れない時にやるべきLPの改善手順
  7. 7. リスティング広告でLPの配信をする際に知っておくと役立つこと
    1. 7-1. エリアでLPを分けることがコンバージョン率UPに繋がる場合も
    2. 7-2. コンバージョンが少ない場合は、LPへの反応が高いユーザーのマイクロコンバージョン化を検討
  8. さいごに. LPに問題があると運用調整してもコンバージョンに繋がりにくくなる

1. リスティング広告にLPが必要とされる3つの理由

はじめにリスティング広告とLPはセットだと言われる理由を説明します。要約する成果が見込めるし、安く早く作れるからです。特段事情がない限りは必ず作るようにしてください。

  • ニーズが絞り込まれたキーワードの最適解を提供できるから
  • 安く早く作れるから
  • 広告の品質が向上し、広告掲載順位の上昇やクリック単価の低下に繋がる可能性があるから

1つずつ理由を説明していきます。

1-1. ニーズが絞り込まれたキーワードの最適解を提供できるから

LPとホームページの違い

一番の理由がこれです。リスティング広告は配信するキーワードを指定できます。つまりニーズが絞り込まれたキーワードだけを配信できるので、その最適解をLPでどんぴしゃで提供することで高確率でコンバージョンに繋げられるのです。

具体例を出すと、「パーソナルジム 女性 30代」というキーワードを検索する人は30代女性に特化したパーソナルジムを探しています。このユーザーが求めているのは、30代の女性が入るべきパーソナルジムの情報だけで、それ以外の情報はあっても閲覧の妨げになってしまいます。男性やシニア向けの情報があっても邪魔なのは想像がつくかと思います。

求めているページと違うなと思われると離脱されてしまうので、リスティング広告の費用対効果は下がってしまいます。そのため今回の例で言えば、調べている30代女性に特化したパーソナルジムの情報だけを詰め込んだLPを見せれば、離脱される確率が減って費用対効果が上がるという仕組みです。

ライザップの女性LP

ライザップの女性に特化したページがわかりやすかったのでご紹介します。開いてすぐ女性向けのパーソナルジムであることがわかりますので、検索した人は続きが気になって読み進めてもらえるはずです。このようにキーワードのニーズにあったコンテンツでLPを構成することで離脱を抑制できます。

ホームページは情報量は充実していますが、特定の語句を検索した人にとっては、情報過多になる可能性があります。よってニーズが絞り込まれたキーワードだけ配信できるリスティング広告とLPはセットにすべきなのです。

1-2. 安く早く作れるから

特定の商品説明だけ掲載した1ページを作成するだけなので、ホームページより安く早く作れます。LPは経験上30〜50万円出せばある程度質の高いものが作れますし、1ヶ月程度で完成します。

しかしホームページを作るとなると、デザインや機能にこだわれば100万円を超えることも珍しくないですし、制作期間も3ヶ月など長くなることも多いです。トップページ、会社概要、サービス、問い合わせページなど複数のページを作成することになるので、制作会社の手間がかかるからです。

そのためホームページはないけどリスティング広告を始めたいと考えている場合は、後述する事情がない限りはLPから先に作ってください。早いし安いし成果が出るのでホームページにする意味はありません。

お手軽に作れるので、試験的に商品を販売したい場合や、キャンペーン告知など期間を限定して配信する場合に活用するのもおすすめです。

リスティング広告は基本ニーズが絞り込まれたキーワードだけを配信するので、そのニーズの範囲外のコンテンツは不要です。よって商品説明だけのページ1枚LPで十分ですし、成果が出ます。

1-3. 広告の品質が向上し、広告掲載順位の上昇やクリック単価の低下に繋がる可能性があるから

広告の品質

広告の品質とは広告がユーザーにとって、どれほど有用性や利便性が高いものなのかを評価するための概念です。高いと広告の掲載順位が上がり、クリック単価も低くなり、いいことしかありません。

広告の品質を構成する要素の1つに「ランディングページへ進んだユーザーに提供されるエクスペリエンスの質」というものがあります。噛み砕いて説明をすると、リンク先のページがユーザーにとって有益かどうかということです。

LPはメインで配信するキーワードのニーズを満たす内容で作成をするはずなので、セットで配信することでこの指標は高まると考えられるでしょう。

どうやって有益か判断しているかはGoogleのみぞ知る状態ですが、ユーザー知りたい情報に絞って丁寧に掲載できていれば向上する判断して大きな問題はないはずです。Googleの公式ヘルプページ「広告とランディング ページを最適化する」にも以下のような記述があり、この解釈でズレはないと私は思っています。ややこしいですが、ヘルプ出てくるランディングページはLPのことではなく、リンク先のページのことを指します。

  1. 広告の内容やキーワードと密接に関連しているランディング ページを選択します。
  2. サイト内をあちこち探さなくても、必要な情報がすぐに見つかるようにします。
  3. 広告とランディング ページのつながりが強いほど(両者の関連性が高いほど)、コンバージョンにつながる可能性は高くなります。
ランディングぺージを最適化するのGoogle広告ヘルプ
Google公式ヘルプ 広告とランディング ページを最適化する

ヘルプページで促されている内容からも、LPをリンク先にすると広告の品質の向上に繋がる可能性があると判断できますので、リスティング広告を配信する場合はLPを作成することをおすすめします。

リスティング広告にLPが必要とされる理由の説明は以上です。

2. リスティング広告をLPではなくホームページをリンク先にして配信してもよい2つのケース

次はLPではなくホームページをリンク先に設定して配信してもよいケースを紹介します。基本的にLPがおすすめですが、そうではない場合もありますので自社が当てはまるか確認をしておきましょう。

ホームページのイメージ図

ちなみにホームページという言葉の定義は曖昧ですが、この記事では「ページが複数集まったWebサイト」とします。

2-1. 複数の商品やサービスを閲覧してもらって購入に繋げたい場合

家電製品など複数の商品をユーザーに閲覧してもらって、気に入ったものを購入してもらう目的でリスティング広告を配信したい場合はホームページがおすすめです。LPは1ページのみで完結するので、複数の商品を見せたり説明することには向いていません。

キーワードで例えるなら「家電 通販」というワードを検索している人は、たくさんの家電製品が販売されている通販サイトを閲覧したいと考えている方が大半でしょう。有名なサイトで言えば、ヤマダデンキやビッグカメラの通販サイトです。

ヤマダ電機

このようなニーズが広めのキーワードを狙う場合はホームページが適しており、コンバージョンがLPより取れることが多いです。判断に迷ったら、自分が検索する立場になって考えるとわかりやすいはずです。数点しか電化製品が紹介されていないLPに飛ばされても、もっと色々見たいんだけど…と不満に思いますよね。

2-2. 売りたい商品だけに特化したホームページである

ホームページがそもそも売りたい商品だけ紹介している専門ページのような状態であれば、LPが不要な場合もあります。例えば弊社がリスティング広告の運用代行だけを専門に行っている会社であれば、ホームページでもリスティング広告のサービスだけを説明しているはずなので、ホームページをリンク先にして問題ないというイメージです。

ただホームページは複数のページで構成されており、それぞれのページを見ないとサービスの特徴が理解できないデメリットがあります。構成によりますが、サービスページを見て、料金ページを見て、事例ページを見て、といった動作を求めることになるので、面倒でわかりづらいと思われてしまうと離脱される恐れがあります。

そのため、このような状態であっても、LPがあればユーザーのニーズを早く満たせるので、用意したほうが成果は上がると私は考えています。可能であれば作ることをおすすめします。

予算を削る目的でLPを作成しないのは長期的に見ると損をする可能性あり、おすすめしません

LPを作る費用がもったいないのでホームページに配信したいとご相談をいただくことがありますが、複数の商品やサービスを閲覧してもらって購入に繋げる目的でない限り、私はおすすめしていません。

仮にLPを作ってコンバージョン率が2倍になれば、費用対効果も倍になりますので、長期的に見れば作ったほうが得することも経験上多いです。

具体的な数値で説明すると、月額予算が100万円でホームページに配信をしている状態でCPAが2万円、CVは50件取れているとします。LPに切り替えることでコンバージョン率が2倍になれば、CPAは1万円になり、CVは100件になります。予算やCPA、LTVにもよりますが、制作費用が1ヶ月で回収できることも少なくないです。

LPの作成には確かに費用がかかりますが、ホームページに配信するよりはコンバージョン率が上がる可能性が高く、一度作ればサービス内容に変更がない限りは永久に使えます。変更があったとしても大きなコストをかけず修正可能です。そのため特段事情がなければLPは作るようにしましょう。

3. リスティング広告でコンバージョンが取れるLPの4つの特徴

ここからはリスティング広告でコンバージョンが取れるLPの特徴について説明していきます。作れば必ず成果が出るものではないので、下記特徴を理解した上で作成を進めていきましょう。

  1. ファーストビューで商品の特徴とベネフィットが伝わる
  2. ユーザーのニーズを満たすコンテンツが配置できている
  3. バリュープロポジションが訴求できている
  4. デザインがターゲットユーザーのトンマナに合っている

他にもポイントはありますが、これらを最低限満たしていればコンバージョンが一向に取れないことはないはずです。詳細は別の記事で解説します。

では1つずつ見ていきましょう。

3-1. ファーストビューで商品の特徴とベネフィットが伝わる

ファーストビューのイメージ

ファーストビューとはページに入って最初に目に入る領域のことです。ニーズとズレた内容をここで展開してしまうと離脱に繋がるため、成果が出るかどうかはファーストビューで決まると言っても過言ではありません。一番といってもいいほど重要な内容です。そのためこれから説明することを必ず押さえるようにしましょう。

ライザップのLP

ファーストビューは商品の特徴やベネフィットが伝わるように構成することがポイントです。昔のデザインですが、個人的に上記のライザップのLPが素晴らしく、お手本だと感じているのでまた例で出します。イメージとしてはこんな感じです。ポイント毎に詳しく解説します。

①商品の特徴

まず、なんの商品やサービスなのかをはっきり記載をしてください。求めている商品なのかわかりづらいと、離脱に繋がってしまいます。大きくわかりやすく明記しましょう。

マーケティング業界やコピーライティング業界に大きな影響を与えた世界的に有名なマーケターマクスウェル・サックハイム氏が提唱する、広告の3つの壁(3つのNOT)として有名ですが、ユーザーは広告を読まないし、信じません。そして行動しないです。ご自身の行動を振り返ってもじっくり広告を見ることは少ないはずです。

ユーザーは日常生活でたくさんの広告を見ており、一瞬で自分にとって意味のあるものかを選別しています。そのため、LPに入ってすぐ目に入るファーストビューで、あなたにとって役に立つ商品なんですよ!ということをわかりやすく伝えなければ無視されてしまいます。

ライザップのLP

ライザップのLPでは、ユーザーがパーソナルトレーニングに求めている「ボディメイク」の文字が一番大きくファーストビューに表示されています。パーソナルトレーニングの文字も入れるべきではないかと感じましたが、認知が既に取れているのであえて入れない選択としていると私は判断しました。

このようにどんな商品の宣伝なのかをファーストで大きくわかりやすく表現するようにしてください。

②ベネフィット

ベネフィットの説明図

ベネフィットとは、商品やサービスを購入して得られる結果や未来のことです。商品を買うとどんな結果が手に入るかを、文字や画像を用いてわかりやすく表現をしましょう。

ユーザーは商品が欲しいのではなく、その商品を使ってもたらされる利益を求めています。そのためベネフィットを伝えることで、コンバージョンに繋がる確率が高くなります。商品のメリットだけでなく、もたらされる利益まで説明をしましょう。

有名な例はドリルとドリルで空けられる穴です。ドリルを買う人はドリルが欲しいのではなく、ドリルを使って空けられる穴が欲しいという話です。このイメージで自社商品のベネフィットはなにかを考えることが重要です。

ライザップのLP

パーソナルトレーニングで言えば、痩せた体系や太りにくい身体がベネフィットといえます。そのためライザップのLPでは痩せたカラダの写真と減量後の数値、10年後も太らない、ずっとかっこいいカラダがキープできる。という文字が大きく表示されており、ファーストビューでベネフィットが鮮明にわかるようになっています。

大切なことなので繰り返しますが、ユーザーは広告を読まないし、信じません。そして行動しないです。そのため、写真を使って視覚的にわかるようにしたり、文字を大きくするなどしてベネフィットを目立たせてください。やりすぎくらいがちょうどいいです。めちゃくちゃ忙しくて関心がない人でも、反応してもらえるような意識で作りましょう。

3-2. ユーザーのニーズを満たすコンテンツが配置できている

ユーザーが商品の購入に必要とする情報を届けるコンテンツが配置できていることも重要です。ニーズには顕在ニーズと潜在ニーズの2つがありますが、顕在ニーズを満たすコンテンツは必須で配置するようにしましょう。それぞれの意味や違いは下記の通りです。

ニーズの種類
ニーズの種類説明
顕在ニーズユーザーが明確に認識しているニーズ
潜在ニーズユーザーが意識していないが存在しているニーズ

これらは氷山に例えられることが多いですが、上の海面から露出している部分が顕在ニーズ。海面の下にある部分が潜在ニーズです。海面はニーズが明確かどうかの境目と考えるとわかりやすいはずです。

1つずつ説明します。

①顕在ニーズ

顕在ニーズとは、ユーザーが明確に認識しているニーズのことです。シンプルに知りたいと思っていることです。

パーソナルジムで言えば、以下が顕在ニーズと考えられます。ジムの契約を考えていたら誰でも気になるようなことだと考えるとわかりやすいはずです。

  • ジムの場所
  • 営業時間
  • 料金
  • 契約期間
  • トレーニングメニュー
  • 食事のアドバイス内容
  • 指導者の実績や経歴
  • 口コミ評価

これらに抜けがあると、契約すべきか判断することが難しくなるため、問い合わせ等のコンバージョンに繋がりづらくなってしまいます。そのため必ず入れるようにしてください。読了のストレスを与えないために、基本ユーザーが知りたい順番に並べるようにしましょう。

②潜在ニーズ

潜在ニーズとはユーザーが意識していないが存在しているニーズのことです。誰かに言われるまで求めていることに気づかないけど、言われたら欲しい!と感じるようなものだと考えるとよいでしょう。

潜在ニーズを満たすコンテンツは可能であれば配置してください。無数にありますが、パーソナルジムで言えば以下が一例です。必須ではないけど、あったら気が利いていると感じるサービスと考えるとわかりやすいと思います。

  • レンタルウェアやシューズがあり手ぶらで通える
  • 無料体験キャンペーンがある
  • 食事に過度な制限をせず痩せられる
  • プロテイン提供がある
  • 子どもの遊ぶスペースがあり、預けられる

繰り返しになりますが、顕在ニーズを満たすコンテンツには絶対抜けがあってはいけません。潜在ニーズはあくまでおまけ的な位置づけなので必須ではありません。問い合わせや商品購入を後押しする要素ではあるので、重要なコンテンツですがあくまで補足の要素なので誤解しないようにしましょう。

自分がジムを契約するならと考えてみても、レンタルウェアやシューズ、プロテイン提供がないから絶対契約しないとはなりませんよね。判断に迷ったらユーザーは何を求めているのかを考えるようにしてみてください。

3-3. バリュープロポジションが訴求できている

3C分析

バリュープロポジションとは、自社が提供できて競合他社が提供できていない、顧客が求める独自の価値のことです。これを訴求することで商品やサービスが選ぶ理由を伝えられるので、コンバージョンに繋がります。

ライザップで言えば「結果にコミット」がバリュープロポジションといえます。具体的に言えば、三日坊主にならず続けられ、2ヶ月で必ず引き締まったカラダになれることです。パーソナルトレーニングは競合が多い業種ですが、結果が出ることを約束している目立った会社は存在しなかったため、ニーズにどんぴしゃでハマり急速に拡大していきました。

このような自社が提供できて競合他社が提供できていない、顧客が求める独自の価値をLPにコンテンツとして含めることが重要です。当然ですが、ユーザーが商品を購入する際は他の商品と比較検討をします。その際競合より全面で劣っていたり、そもそもニーズがなければコンバージョンには繋がりにくくなります。

突き詰めていくと、商品や会社のコンセプトまで話が発展することもありますが、これは正しいです。なぜならリスティング広告やLPは売れないものを売れるようにするものではありません。売れるものをもっと売れるようにするものだからです。

もしバリュープロポジションが打ち出せないようであれば、戦略を再考してコンセプト設計からやり直すのも前向きに考えるべきだと思っているので、参考にしてみてください。自身の経験からも、売れないと確信できる商品を必死に売ることほど悲しいのはありません。

3-4. デザインがターゲットユーザーのトンマナに合っている

トンマナとは、広告やコンテンツのデザインや文言の一貫性を保つことです。LPのトンマナがターゲットユーザーと合っていないと、求めているものとは違うと判断されて離脱する確率が高まりますので、重要な考えです。

少々極端ですが例を出します。男性がパーソナルトレーニングジムを探しているとしたら、どちらのページのジムに通いたいと思いますでしょうか。

トンマナの説明

直感でわかるはずですが、99%の人がAを選ぶでしょう。Bは色とフォントが女性を連想させるので、男性であれば求めているものではないと判断するはずです。

このようにトンマナがターゲットユーザーと合っていないと離脱の恐れが高まりますので、コンバージョンに繋がりづらくなってしまいます。さすがにここまで極端なミスはないはずですが、デザインや文言はユーザーと親和性の高いトンマナにするようにしてください。

他にも構成で気をつけるポイントはありますが、後日別の記事で説明します。

4. リスティング広告で配信するLPの制作費用相場は30〜50万円

クオリティ費用相場
制作後の運用改善まで全て任せられる50万円〜
戦略設計やライティングも任せられる30万〜50万円
オリジナルデザインで制作10万〜30万円
テンプレートに当てはめて制作〜10万円
※ドメイン取得費用やサーバーの管理費などは除く

次はリスティング広告で使うLPの制作にかかる費用相場をご紹介します。求めるクオリティによって大きく異なりますが、丸投げして成果の出るLPを作る場合は、安くても30〜50万円はかかると見ておいたほうがよいでしょう。

10万円以下の低予算での制作は可能ですが、制作側が用意したテンプレートに当てはめて作られることがほとんどで、商品の魅力がしっかり伝えられない恐れがあります。よってこの価格帯の制作会社に丸投げで依頼をするのはおすすめはできないです。

「そこそこ費用がかかるんだなぁ…。」と感じた方もいらっしゃるかと思いますが、朗報です。

実は戦略設計やライティングを自社で対応すれば、30万円以下でもバッチリ成果が見込めるLPは作れます。作りたいイメージを固めておけば、デザインやコーディング(Webページにする作業)だけ依頼できるので、安く成果の出るLPを作りたい場合はこの方法で進めましょう。制作会社からすれば決まった内容を作るだけなので、安く対応してくれます。

ただこれは安く作りたい方向けの話なので、予算に余裕がある場合は、戦略設計やライティングまで対応してくれる制作会社に任せるのを推奨します。次から具体的な手順を説明しますが、おそらく面倒だと感じるでしょうし、プロに任せるのが確実だからです。

相場の詳細説明は別記事でします。

5. リスティング広告で成果の出るLPを格安で制作する手順

工程やること
1. 目的を確認するLPでどんな行動をしてもらいたいか決める
2. 3C分析を行うバリュープロポジションを見定める
3. ターゲットを決めるどんな属性のユーザーにLPを見せるか決める
4. 配置すべきコンテンツを決めるユーザーニーズを主軸に配置するコンテンツを決める
5. ワイヤーフレームを作成するコンテンツの配置を決める

ここからはデザインとコーディング以外を除いた私のLPの制作手順を紹介します。成果の出るLPを作るためには、3章で説明した内容になっていることが大切です。つまり戦略設計が重要です。これらに欠陥があるととデザインがきれいでも売れないLPが出来上がってしまうため、注意をしましょう。

30〜50万円出せばこれら工程も制作会社に任せられるはずですが、もっと安く作りたい場合は説明する手順で自分で対応して、デザインとコーディングのみ依頼するようにしましょう。

それでは1工程ずつ説明していきます。実際は状況に応じてカスタマイズして行いますが、画一的に説明するとこのような工程になります。

5-1. 目的を確認する

目的の確認

まず、ユーザーにLPで取ってもらいたい行動を確認しましょう。当たり前のような話ですが、目的をしっかり理解しておかないと、手段が目的になってしまったり、配置するコンテンツにズレが生じる恐れがあります。

  • 商品購入
  • 問い合わせ
  • 資料請求

など、ユーザーがしてもらいたい行動を確認しましょう。専門的な言葉で言えばKPIを設定します。最終的な目的に直結するものを設定しましょう。KPIについて詳しく知りたい方は目的設定のページをご覧ください。

KPIで決めた行動を起こすために、配信するコンテンツや伝えるべき価値を固めていきますので、必ずここで目的を確認するようにしておきましょう。

5-2. 3C分析を行う

次は戦況分析を行い、バリュープロポジションを明確にします。やり方は3C分析を行えばOKです。やり方は他にも色々ありますが、この方法で進めれば大きな問題はないでしょう。

3C分析とは簡単にいうと、下記3つのポイントを確認してビジネス環境を理解ながら、バリュープロポジションを明らかにするものです。

  1. Consumer(消費者の理解)
  2. Company(自社の理解)
  3. Competitor(競合他社の理解)

進め方は3C分析のページを参考にしてみてください。やり方は様々ありますが、自社が提供できて競合他社が提供できていない、顧客が求める独自の価値を探っていくことが重要です。

5-3. ターゲットを決める

次はどんなユーザーをLPに集客するか、つまりターゲットを決めます。会社の商材や商圏に合わせて設定しましょう。例えば名古屋のパーソナルジムであれば、名古屋市に住んでいるパーソナルジムに通いたい人。といった形です。

見込めるコンバージョン数の図

ここでポイントをお伝えします。性別、年齢、家族構成や価値観など詳細まで決められると、該当ユーザーはコンバージョンしやすいLPにはなりますが、配信対象のユーザー母数が減って、見込めるコンバージョン数が少なくなる恐れがあるので注意をしましょう。リスティング広告はニーズの絞り込まれたユーザーにアプローチできる広告ですが、LPで絞り込み過ぎるのはおすすめしません。

極端ですが、名古屋市の30歳既婚女性で2人の子どもがいる人。みたいな形でガチガチのターゲット設定をすると、男性や未婚女性は魅力に感じないコンテンツを配置することになるので、これらユーザーはコンバージョンしづらくなります。

リスティング広告はキーワードを絞り込めるため、この思考でコンバージョン率の高いLPを作ることは大事です。ただやりすぎるとターゲットの母数が減って、見込める全体のコンバージョン数も減少します。よって売上を上げられる上限が下がってしまう恐れがあります。

どの具合まで絞り込むかは、商材や予算、目標値、リスティング広告で配信するメインキーワードの検索ボリュームによって判断をしますが、説明がとても長くなるので割愛させていただきます。ただ大枠ズレていなければ大きな問題にはなりませんので「どこに住んでいてどんな願望を持っているユーザー」をターゲットにするかは最低限決めておきましょう。繰り返しになりますが、絞り込みすぎないようにしてください。

ペルソナは潜在ニーズを考えるために設定するものであり、ターゲットにすべきではない

非常に勘違いされやすいのですが、ペルソナはターゲットにするものではありません。潜在ニーズを考えたり、担当者間で共通した人物像を認識するために活用します。

ペルソナとは、自社の製品・サービスを利用する典型的なユーザー像のことで、実際のその人物が存在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味といった情報を考えて設定をします。

設定することで、ターゲットユーザーの日常生活での悩みや課題に気づくきっかけになるため、潜在ニーズの特定に役立ちます。しかし、ターゲットにしてしまうと上述した絞り込みすぎの原因になってしまうので、ニーズ調査だけに使ってください。

5-4. 配置すべきコンテンツを決める

ニーズからコンテンツを作成する

ターゲットを決めた後は、バリュープロポジション、ユーザーニーズやベネフィットを元に、LPで提供するコンテンツを定めていきます。コンバージョンに繋げるために一番重要なのは、ユーザーニーズを主軸に配置するコンテンツを決めることです。

なぜならバリュープロポジションやベネフィットは加点要素だからです。なくてもコンバージョンは少なからず取れるでしょう。しかしニーズを満たせるコンテンツはないと、ユーザーに大きなストレスを与える要因になります。よって離脱する確率が大きく高まるため、コンバージョンに繋がらない事象が発生します。

極端ですが例えば、トレーニングジムに関心があったとして、LPに料金、できるトレーニングやどこに施設があるか記載がなかったらどう感じるでしょうか?よくわからないと感じて、ほとんどの方が問い合わせしないと思います。ですので、ニーズを起点にコンテンツを作るべきなのです。

ニーズは説明した通り、顕在ニーズと潜在ニーズの2種類があります。それぞれどんなものがあるか考えて表にまとめておきましょう。コンテンツを決めるのがやりやすくなります。以下パーソナルジムのイメージです。

ニーズの種類内容
顕在ニーズジムの場所
料金
契約期間
トレーニングメニュー
食事のアドバイス内容
指導者の実績や経歴
口コミ
潜在ニーズレンタルウェアやシューズの有無
無料体験キャンペーンの有無
食事制限のキツさ
プロテイン提供の有無
キッズスペースの有無

リスティング広告はニーズが顕在化したユーザーを基本狙いますので、顕在ニーズを満たすコンテンツは絶対に配置するようにしてください。

5-5. ワイヤーフレームを作成する

ワイヤーフレームのイメージ

コンテンツが固まったら、どの順番で配置するのかを決めていきます。その際、ワイヤーフレームと呼ばれるLPの設計図を作ることが重要です。例えるならば、部屋の間取り図のようなものです。これがないとデザイナーやコーダーが具体的にLPのイメージができず、困りますので絶対に作ってください。

わかりやすく作成できれば方法はなんでもいいのですが、状況別におすすめツールをまとめました。おすすめはFigmaです。同時編集ができたりレイヤーの概念があったりと、便利な機能が搭載されており、ワイヤー作成がはかどります。注意点として4つ以上ファイルを作る場合有料になります。

状況ツール名
編集しやすく、便利なツールで作りたいFigma
慣れたツールで作りたいエクセル
パソコン操作が苦手紙に手書き

紙に手書きするのがダメなように見えますが、そうではありません。手で書いたほうが早いので、ツールで清書する前に超ざっくりのラフを作る際、私はまず手書きすることは多いです。紙とボールペンがあればできますので、困ったら手書きしてみてください。

なおコンテンツの配置に絶対の正解はありませんが、極力離脱させないようにするのがポイントです。作成に慣れていない方でも意識すべきと感じるポイントを2つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。LPの基本構成など詳細は別の記事で説明します。

①自ら購入したり、魅力的だと感じたLPの構成を参考にする

私で言う以下になります。

このように自分が購入を決意したLPや、価値が伝わった魅力的なLPの構成を参考にしましょう。初心者だとまっさらの状態からLPを作るのは、少々ハードルが高いと感じます。そのためモデルを用意することをおすすめします。

実際に自分が購入したLPであれば、どのようなコンテンツがきっかけなったかわかりやすいはずです。それを作るLP構成に当てはめるなどして、参考にしてみましょう。そんなLPないよという方は、私が紹介したLPやLPアーカイブなど、様々なLPが見れるサイトを利用して探してみるとよいです。

LP作成のテクニックはたくさんありますが、まずはいいと感じたものを参考にするのがわかりやすいはずです。

②結果→実証→信頼→安心の順を意識する

コンテンツは結果→実証→信頼→安心の順に配置するように意識しましょう。一貫性のあるストーリーを説得力を持って届けられるので、わかりやすいLPが作れます。

商材やターゲットによってはこの限りではありませんが、基本この順に並べることをおすすめします。これはLPに限らずダイレクトマーケティングでよく使われる鉄板のフレームワークです。

以下要素別に配置すべきコンテンツの説明です。

要素配置すべきコンテンツ
結果商品を使うとどんな結果が得られるわかるもの
実証結果が得られる理由や根拠になるもの
信頼商品が信頼できる理由、実績など
安心品質が保証されていると感じれるもの

説明は以上です。ポイントとしては、LP作成に慣れてくるまでは我流でやらずに、フレームワークやモデルのLPを元に進めましょう。なんでもそうですが、守破離を大切にして、まずは先人の知恵や技術を踏襲すると失敗が少ないはずです。

ワイヤーフレームでデザインまで作り込み過ぎないようにしましょう

デザインはデザイナーに依頼する場合、ワイヤーフレームでデザインまで作り込みすぎないようにしましょう。ワイヤーフレームはあくまでコンテンツの配置などレイアウトを決めるためのものです。

写真やテキスト様式などを決めてしまうと、デザイナーの仕事の幅を狭めてしまうことになります。自信があればよいですが、そうではない場合は配置を決める程度に留めておくほうが失敗は少ないはずです。

事実私はデザインやコーディングは専門ではなく、この領域はプロに任せたほうがクオリティが高くなると思っているので、よほどの事情がない限りガチガチに固めることはないです。

6. リスティング広告でコンバージョンが取れない時にやるべきLPの改善手順

次はリスティング広告の改善の一環で行う、LP改善手順をご紹介します。以下の順番で着手することが重要です。

  1. ファーストビュー
  2. オファー・CTA
  3. ボディコピー

改善内容ももちろん重要ですが、それ以上に着手する順番を間違えないことがポイントです。コンバージョンが取れない = よくわからず離脱されている。もしくはコンバージョンしたいと感じられないことが理由なので、これらに大きく起因する箇所から分析して改善することが大切です。

記事内で繰り返し主張していますが、LPで最も大切な箇所はファーストビューですので、まずはファーストビューから改善できるところはないか確認するようにしてください。

改善手順の詳細は別の記事で説明します。

7. リスティング広告でLPの配信をする際に知っておくと役立つこと

最後にリスティング広告でこれからLPを配信する人、している人に役立つ情報をお伝えします。自分で8年以上運用してきた知見や、自社でLPを作って商品の販売をしてきた経験に基づいた内容ですので、現場で役立つ情報のはずです。

7-1. エリアでLPを分けることがコンバージョン率UPに繋がる場合も

給湯器交換、便利屋、葬儀、探偵など、地域住民と関わるビジネスの場合は、リスティング広告で設定した配信エリア毎に対応したLPを作ることで、コンバージョン率を大幅に上げられる可能性が高いです。

こういった業種は近くの会社に任せたいニーズは少なくないため、居住エリアに密着した会社だとユーザーが感じられれば、コンバージョン率が上がるという仕組みです。

具体例を出すと、全国で葬儀ビジネスを展開している小さなお葬式のLPです。弊社の本社一宮市で「葬儀 一宮」と検索をして表示される広告のリンク先は、下記のLPになっており一宮市の実績が豊富であることファーストビューで強くアピールしています。(リンク先をコピーしてクリック課金されないように対応しました)

小さなお葬式のLP

ざっと見たところ、日本中の市に対応したLPを作成しているようでした。かなり広告費をかけられているため、市単位で膨大に作られている状況だと思います。

ここまでやるのは大変だと思いますので、主要エリア単位でLPを分割するとよいです。市、都道府県、七地方区分など、状況に合わせて分けることを検討してみてください。

7-2. コンバージョンが少ない場合は、LPへの反応が高いユーザーのマイクロコンバージョン化を検討

獲得できるコンバージョンが少ない際は、LPを一定数ページスクロールしたり、長い時間滞在したユーザーを、マイクロコンバージョンにすることを検討してみてください。

マイクロコンバージョンとは、最終コンバージョンよりも手前に設けるコンバージョンポイントです。購入がCVであれば、一般的な解釈だと購入ボタンのタップが該当するでしょう。これらを優先してマイクロコンバージョンとして計測すべきです。ただそれでも少ないならば、LPは上記ユーザーも含めて大きな問題はないはずです。

一般的なLPはある程度の長さがありますので、スクロールして読みんだり、長く滞在していれば、興味があるユーザーと想定できるからです。

コンバージョンが少ないと、自動入札が働きにくくなり、コンバージョンに近い属性のユーザーに配信しづらくなってしまいます。しかしこれらをマイクロコンバージョンとみなし、計測すればコンバージョン件数が増えるため、自動入札の精度が高まるきっかけ作りができます。

絶対にやるべきことではありませんが、データ量が少なくて改善が難しい場合は役立つ場合があります。

さいごに. LPに問題があると運用調整してもコンバージョンに繋がりにくくなる

LPはコンバージョン率を左右するとても重要なものです。問題があるとリスティング広告の管理画面上で細かく調整しても、コンバージョンに繋がりづらくなってしまうので、絶対に作成や改善に手を抜かないようにしてください。

LPは例えるなら店内です。

商品が欲しい人を店に連れて行っても、店内での商品説明がわかりにくいと、他の店で買ったほうがいいと思って退店しますよね。LPに問題があるとこれと同じように離脱されてしまい、コンバージョン率が下がってしまいます。

逆に言えば、素晴らしいLPが作れれば運用が稚拙でもコンバージョンは取れます。それほど重要なため、ぜひこの記事で説明したことを軸に、リスティング広告で使うLP作成や改善を進めてみてください。

弊社はリスティング広告の運用を得意としていますが、ご紹介したようなLPのディレクションや改善提案まで対応が可能です。もしLPにも知見がある会社に広告運用も任せたいと考えている方は、ぜひご相談くださいませ。