リスティング広告は広告文次第で成果が大きく異なります。優れた広告文はコンバージョン数や単価に好影響を及ぼすからです。

そのため時間をかけるべき箇所であり、決して適当に作ってはいけません。

しかし、あなたは今こうは思ってはいませんか?

  • コピーライターじゃないし、どう作ったらいいかわからない
  • 印象に残るフレーズなんて思いつかない
  • 自分は文才のセンスがない

断言しますが、これらの心配は不要です。

リスティング広告の広告文は皆さんが連想されるキャッチコピーとは目的が異なるため、特別なセンスはいりません。リスティング広告は強いニーズを持ったユーザーがターゲットなので、問い合わせや購入といった反応を得るのが目的です。よって広告文は具体的な表現をして、自分毎に捉えてもらうのがゴールです。

「そうだ京都、いこう。」的なキャッチコピーは、ニーズが顕在化していない不特定多数をターゲットとしており、イメージを喚起させるのが目的です。そのため、時代ごとの価値観を映し出すなど認知に繋がる表現のセンスが問われます。

このように広告の目的が異なるので文の作り方も全く違います。リスティング広告の広告文は作る上で重要なポイントが明確なので、これを遵守すれば大きく外すことはないでしょう。

この記事では、上記ポイントを押さえたリスティング広告の広告文の作り方を説明しつつ、改善の仕方を紹介します。広告文の仕様アップデートに左右されない基本を中心に説明していますので、特に広告文を作ったことがない初心者の方はじっくり読んでいただけると幸いです。

でははじめに広告文の構成要素や表示のされ方といった初歩的なことから説明していきます。

1. リスティング広告の広告文の構成要素

パーツ名役割文字数制限
①広告見出し/タイトル最も訴求したい内容を目立たせる半角30字
②説明文見出しで説明できないことを補足する半角90字
③パス/ディレクトリページがどのような内容なのか伝える半角15字
④広告表示オプション様々な情報を訴求する種類による
*全角は2文字カウントになります

リスティング広告の広告文は上記画像のように表示されます。4つのパーツで構成されており、それぞれ役割が異なります。そのため作成するにあたり、各々がどのような役割を持っているかを理解することが重要です。では1つずつ説明していきます。

①. 広告見出し/タイトル

一番目立つパーツです。最大3つの見出しが表示されますが、基本2つが表示されます。大半のユーザーは見出しを見てクリックするかを判断しますので、広告文の中で最も重要といえるでしょう。広告見出し次第で広告文の出来が決まるといっても過言ではありません。

最も目立つ位置に表示されるので、ユーザーに一番伝えるべきことを広告見出しに記載するのがポイントです。

②. 説明文

広告見出しの下に小さく表示されるパーツです。最大2つまで表示されますが、例のように1つしか表示されない場合もあります。説明文は見出しに記載きれなかった細かい内容を訴求するために利用します。そのため、「ユーザーは知れたら嬉しいだろうけど、見出しに入れるまでもないな」ということを入れるとよいでしょう。

注意点として自分の経験則的に、説明文はこだわっても成果にはそこまで影響しないことが多いです。というのも小さくので目につきにくいからです。実際にあなたも検索して説明文をじっくり見ることはないのではないでしょうか。

こだわっても効果はないとは言いませんが、時間をかけるのであれば見出しに注力するのがおすすめです。

③. パス/ディレクトリ

最終ページURLの後ろに表示されるパーツです。ページがどのような内容なのか伝えるために使います。文字数制限は半角15字と少ないですが、入れておくとクリック率向上に繋がりますので空欄にしておくのはもったいないです。必ず使いましょう。

④. 広告表示オプション

サイト内のリンクや電話番号、ちょっとした強みを記載できるパーツです。広告表示オプションは特別な事情がなければ可能な限り設定しましょう。設定しておくと広告の専有面積が広がるためクリック率が向上したり、広告の掲載順位とクリック単価を決定する広告ランクの改善に繋がるなど様々なメリットが得られます。

2. 優れたリスティング広告の広告文とは、ターゲットユーザーだけが価値を感じるもの

次からは広告文の作り方を説明していきますが、前提として目指すべき優れた広告文とはどのような特徴を持つものなのかを定義しておきます。

結論から言うと、ターゲットユーザーだけが価値を感じるものだと弊社は考えています。指標で言うならばクリック率とコンバージョン率が高い状態です。どちらかが低すぎてもいけません。両方を高める工夫が必要です。

少し抽象的でわかりづらいと思うので、少し具体化して説明していきます。下記表をご覧ください。それぞれの指標の高低別で広告文がどんな状態になっているかを記載しています。(略語で失礼します)

指標広告文の状態
CTRが高いがCVRが低いユーザーの目に止まっているが、ターゲット外のユーザー割合が多い
CVRが高いがCTRが低いターゲットユーザーを絞り込めているが、商材の価値が伝わっていない
CTRもCVRも高いターゲットユーザーを絞り込めており、商材の価値が伝わっている
*配信しているキーワードはターゲットユーザーが検索する語句に概ね当たっており、ページ内容に大きな問題はないとします。

これより1つずつ更に掘り下げてどのような状態なのかを説明します。

少し回りくどいですが、この理屈がわかっていないとコンパスなしで航海するようなもので、目指すべき方向がわからない状態になってしまいます。これでは優れた広告文を作るのは困難ですので、必ず目指す状態を明確にしてから作成することを推奨します。

なお、CTRもCVRも低いという最悪の状態もありますが、こちらはよっぽどないと思っているので割愛します。

2-1. CTRが高いがCVRが低い状態

広告文がユーザーの目には止まっているが、クリックするのはターゲット外のユーザーが多い状態です。ターゲット外のユーザーが興味を示す表現が入っているとこうなります。CPAが高くなるリスクが高いので、費用対効果を重視している場合は注意が必要です。

かなり極端な例ですが、商材が安いりんごの通販だとして、見出しに「1つ3万円の極上りんごの通販」という言葉を表示しているようなイメージです。

商材のメインターゲットは安いりんごを探しているユーザーなのですが、広告文では超高級りんごを訴求してしまっているので、ターゲットはクリックせず、高級志向のユーザーばかりがクリックします。結果、表現は問題ないが入ってくるユーザーがズレるので、CTRは高いがCVRが低くなります。

2-2. CVRが高いがCTRが低い状態

広告文でターゲットユーザーを絞り込めているが、商材の価値が伝わりきっていない状態です。ターゲットユーザーから関心を持たれてはいるが、表現がわかりづらかったり乏しいとこうなります。低CPAを維持できますが、クリック数が伸びず、CVが増えない状態になりがちですので、売上拡大を重視している場合は注意が必要です。

これも極端な例ですが、商材が名古屋の味噌ラーメン屋への誘導だとして、見出しに「名古屋の味噌ラーメンなら」といった言葉を表示しているイメージです。

名古屋の味噌ラーメンを食べたいユーザーは流入しているので狙いはズレていないのですが、ユーザーが本当に求めているものに対して訴求できていないので、クリックされずらくなっています。よってCTRは低いが、流入すればCVするのでCVRは高くなります。

ラーメンを食べたい多くユーザーを考察していくと、多くが求めているのは美味しさだと考えられます。ですので、「名古屋の絶品味噌ラーメンなら」といったように味に関しても訴求することでCTRを改善できるでしょう。(厳密には市場構造状況によります)

2-3. CTRもCVRも高い状態

ターゲットユーザーを絞り込めており、商材の価値が広告文を通して伝わっている状態です。この状態を目指すためには、以下2つが広告文を見て理解できるように作成するのがポイントです。

  • ターゲットユーザーが検索している商品やサービスであることがわかる
  • ユーザーの求めていることが満たされるのがわかる

上述した味噌ラーメンの例と重複しますが、ユーザーは名古屋の味噌ラーメン屋を探しており、求める価値は美味しさだとします。そのため「名古屋の絶品味噌ラーメンなら」ならといった表現をするのがCTR、CVRを向上に繋がるでしょう。(繰り返しになりますが、厳密には市場構造状況によります)

次からは、CTRもCVRも高い広告文を作るために行うべき事前準備を説明していきます。

3. リスティング広告の広告文を作る前にやるべき3つの事前準備

広告文を作る上で重要なことは、いきなり作らないということです。しっかり準備をすることが大切です。なぜなら競合や消費者、自社の強みといった市場構造を理解しないと優れた広告文は作れないからです。

調査を怠ると以下のようなことをしてしまい、CTRやCVRに問題のある広告文を作ってしまう恐れがあります。

  • 競合より劣っていることを訴求をする
  • 消費者がそれほど求めていないことを訴求する
  • 自社の強みとマッチしないことを訴求する

普段からこれらを細かくチェックしているのであれば別ですが、そうでなければこれから説明する準備を行いましょう。弊社で定義しているやるべき準備は次の3つです。

  1. 戦況分析
  2. 目標設定
  3. 戦略設計

全て実施していただきたいですが、特に1の戦況分析をやらないと大きくコケる可能性があるため、必ず実施しましょう!では1つずつ説明していきます。

3-1. 戦況分析

目的達成に有利な戦略を立てるために行います。、はじめに戦況分析で訴求すると失敗に起因する可能性のあるポイントを見つけるのと同時に、味方につけられるような要素はあるかを考えます。

方法は様々ありますが、どれか1つと言われたら「3C分析」というフレームワークを使うのが調査対象に漏れが出づらいのでおすすめです。弊社でも広告の運用代行をさせていただく際は用いております。

3C分析とは簡単にいうと、下記3つのポイントを確認してビジネス環境を理解ながら、訴求すべき軸を導くものです。広告文作成だけに限らず、事業を行う上でもやっておくべきものですので、ぜひこちらのフレームワークを使ってみてください。

  1. Consumer(消費者の理解)
  2. Company(自社の理解)
  3. Competitor(競合他社の理解)

実施方法の詳細は下記ページをご覧ください。
戦況分析-3C分析の実施方法

3-2. 目標設定

効果の出る的であるターゲットユーザーを絞りこみ、それを目標に設定します。購買率、購買力の高いグループはどんな特徴のある人かをデータや調査に基づいて、分析しながら絞り込みます。狙う目標であるユーザーが決まっていないと、広告文で訴求すべき内容も明確になりませんのでこの工程も重要です。

弊社では目標は戦略ターゲットとコアターゲットの2つ設定しますが、少なくとも大枠で狙う戦略ターゲットだけは設定しておきましょう。

実施方法の詳細は下記ページをご覧ください。
目標設定

3-3. 戦略設計

狙う目標が決まったら、そのユーザーが求めている価値はなにかを定める戦略設計を行います。有名な話ですが、例えば一般的な工具のドリルを販売するとすると、表面的だけ見るとユーザーはドリルがほしいように見えますが、本質は穴がほしいのです。マーケティング用語でこれをベネフィットと呼びます。

ですので、ドリルの特徴に合わせて以下のような”穴をあけること”に対して訴求をしていくのが、CTRの改善に繋がると判断できます。

  • どんな形状の穴があけられるか
  • どのくらいの時間であけられるか
  • 複雑な操作をしなくても簡単にあけられるのか
  • 穴をあけるのにお金がどれくらいかかるのか

ドリルを購入する立場になったとして想像してもらうとわかりやすいですが、機能の訴求だけしても自分ごとに感じづらいかと思います。このようにターゲットユーザーは、販売する商品のどこに価値を感じているのかを捉え、それを広告文で伝える必要があるのです。そのため、この価値を定める戦略を考える準備が必要になります。

調査方法等の詳細は下記の記事をご覧ください。
戦略設計

ここまで準備を整えたら広告文の作成をしていきます。正直手間ではありますが、準備を怠ってほしくはありません。広告文はCVR、CTRといった売上に直結する指標と密接に関わるものです。たかが広告文と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれまで100社以上支援してきて、広告文の改善だけでCVRが倍増し、CPAが半減するなどの事例をいくつも見てきました。

こういった自分の経験もあり、決して手を抜いてはいけないパーツだと思っています。

4. リスティング広告の広告文を作る際のコツ

ここからは広告文の作成のコツをお伝えしていきます。上述した通り、優れた広告文はCVRとCTRが高いものですので、これら2つの指標別で高めるためのポイントをお伝えしていきます。

なおこの記事では、広告文の仕様アップデートに左右されないことをご紹介しています。

現在のリスティング広告の広告文はレスポンシブ検索広告という複数の見出しと説明文を登録して、それを検索語句に合わせてシステムが適切なものを表示させるタイプです。過去は特定の見出しと説明文を表示するタイプだったりなど、広告文は仕様変更が繰り返されています。

この最新タイプで気をつけるべきことも当然ありますので、それは別の記事で詳しく解説します。ただタイプが変わってもこの記事で基本を押さえておけば、それほど構える必要はないはずです。

4-1. CVRを高めるために気をつけること

でははじめにCVRを高めるために気をつけてほしいことを説明します。どれだけクリックされてもコンバージョンされなければ意味がありませんので、まずはこの内容から理解を深めて実践していきましょう。

①商品の特徴かつユーザーが強く求めていることは見出しに入れる

ニーズの合致したユーザーからクリックをしてもらうために、商品の特徴かつユーザーが強く求めていることを見出しに入れましょう。

例えば価格の安さが特徴のリスティング広告代行であれば、格安のリスティング広告運用代行といったイメージです。

説明文は小さく表示されますので、強く伝えたいことは見出しに書くようにするのがポイントです。注意点としては反対に見出しの訴求を誤ると大きく悪化してしまいます。そのため、自社の強みや競合の状況を理解して、ユーザーは何を求めているかを把握する準備が大切になりますので、怠らず行ってください。

②ターゲットだけを絞り込む表現を行う

1と若干重複しますが、ターゲット外のユーザーが反応しない表現をするとCVRの向上に繋がります。そのため広いユーザーをターゲットにしていない限り、汎用的な表現はできるだけ避けたほうがよいです。

例えば一杯2,000円を超えるラーメンがあったとすると、「【高級】食通も唸るラーメンなら」といった感じになります。こういった表現をすることでラーメンを安く食べたいユーザーからのクリックを減らせるので、CVR向上に繋がります。

特にニーズが広い商品の場合はこれを意識することが重要になります。例のように、高級思考のユーザーを集めたいけど、安さを求めるユーザーばかり集まってしまった。といったことにならないよう見出しで絞り込みを行いましょう。

③キーワード・ランディングページ・広告文の内容を一致させる

これらを揃えることで、広告クリック後の離脱抑制に繋がるためコンバージョン率の改善が期待できます。特にキーワードによってリンク先を変更している場合は気をつけてください。サイトの作りにもよりますが、一律トップページや同じ広告文を設定するというのは基本推奨しません。

例えば「冷蔵庫 通販」というキーワードに対しては「冷蔵庫の格安通販なら」といった広告文を表示させ、ページは冷蔵庫の通販ページを表示させるべきです。こうすることでユーザーが探している商品の広告が表示され、ページも相違ない状態になるので離脱は減らせるでしょう。

この3つのパーツどれかがちぐはぐになると、クリック後の離脱原因になる可能性があるため、キーワード・ランディングページ・広告文の内容を一致させるようにしましょう。

4-2. CTRを高めるために気をつけること

次はCTRを高めるためのポイントです。コンバージョンに繋がるけど数が増えない…。といった場合はこちらの要素が足りていない可能性がありますので、不足しているものがないか確認してみてください。

①キーワードを見出しと説明文に入れる

厳密には検索語句ですが、配信するキーワードを広告見出しに入れるようにしましょう。広告文に検索した語句が入っていると目が行きやすいのでクリック率の向上が期待できます。

また、説明文に検索語句と同一語句があると該当文字が太字になります。この効果でもクリック率は向上するといえます。下記は「梨 通販」で検索した時に表示された広告ですが、赤枠箇所が太字になっています。

ただ、全ての検索語句入れるのは難しいので、コンバージョンに繋がる主要ワードだと想定される語句をいれるようにしましょう。キーワードは下記ページで解説しているメインとサブワードの掛け合わせ付近を選ぶと大きくズレることはないはずです。ぜひ参考にしてみてください。

100社以上運用してきた私が教えるリスティング広告のキーワードの選び方

キーワードを広告文に自動挿入するインサーション機能を使ってみよう

Google、Yahoo!ともに検索語句に反応したキーワードを自動的に入れてくれる機能があります。こちらを利用することで上記の対応を全てのキーワードに対して実装できるので、基本導入することをおすすめします。

ただ便利な反面、意味が伝わりづらい文章になる恐れもありますので注意が必要です。詳細は下記媒体の公式ページをご覧ください。

Google 広告文のキーワードの挿入機能について
Yahoo!広告 キーワードの自動挿入の設定方法

②文字ではなく数字で表現する

金額や実績、店舗の距離、時間などに関しては数字で表現しましょう。具体性が増すためクリック率の向上が見込めます。例えば施工実績数を謳う場合は、1,000件以上の施工実績といった具合です。豊富な〜といった表現は抽象的ですので、クリック率を向上させる観点ではおすすめはできません。

ただし実績が少ない場合などは抽象的に表現したほうが良い場合もあるので、なんでもかんでも数字にすることがないようにしてください。

③メリットだけでなくベネフィットも入れる

3-3. 戦略設計で説明した内容ですが、ユーザーが商品から得られる恩恵であるベネフィットを見出しに入れるようにしましょう。

リスティング広告で一般的に狙うユーザーは既にニーズが顕在化している層なので、メリットだけを訴求しても魅力的に感じてもらいやすいですが、ベネフィットも含めるとより自分ごとに捉えてもらいやすくなるためクリック率の向上が見込めます。

ベネフィットは商材の特徴によって様々ですが、一例を抜粋しましたので自社の商材だったらどんなものになるのか考える参考にしてみてください。

商材メリットベネフィット
ランニングシューズ足に優しく走れる楽しく走れるのでダイエットが捗る
保湿クリーム肌を保湿できる若く見られ自信がつく、モテる
お掃除ロボット自動で掃除してくれる自由時間が増えて日々の充実度が増す

なお、厳密に言うとベネフィットは機能的ベネフィット、情緒的ベネフィット、自己表現ベネフィットの3つあるなど、もっと細かく説明できますがかなり長くなってしまうので別の記事で解説します。

④文字数制限ギリギリまで使う

文字が多いと広告の専有面積が広がるため、クリック率の向上が見込めます。無理に詰め込む必要はありませんが、極力余らせることのないようにすることおすすめします。

⑤見出しを記号で目立たせる

ブランド名や公式、固有名詞などユーザーの目にとまるとクリックにつながる見出しの箇所は、記号を使って目立たせるとクリック率の改善が見込めます。おすすめは視認性が増す隅付きかっこ【】です。具体例としては、【公式】といった形で表現をしましょう。

Yahoo!広告の公式より、隅付きかっこを使用したことでクリック率が16%も向上した結果が出たという調査も上がっていることから媒体のお墨付きの記号です。

検索広告において【 】隅付きかっこ が使用可能になりました!

基本隅付きかっこを使えば問題ないですが、媒体によって使用できる記号は異なりますので、他を使いたい場合はそもそも使用可能かどうか確認をしておきましょう。

Yahoo!広告!使用可能な文字種別、スペース、記号種別
Google 広告で使用できる記号一覧

以上の内容を踏まえて広告文を作成してみましょう。

5. リスティング広告の広告文の改善で気をつけべきこと

広告文は一度作ったら終わりではなく、配信をしながら改善をしていくべきものです。ここでは広告文の改善をする際に気をつけてほしいことを説明します。

原則として、優れた広告分とはコンバージョン率とクリック率が高いものと弊社は定義しておりますので、それぞれを改善するために見出しと説明文に修正を加えていきましょう。

ではポイントを1つずつ説明していきます。

5-1. 最低でも100クリック蓄積後に改善を行う

クリック数が100にも満たない状態など、データ量が少ない場合は良し悪しの判断がつかないので広告文の改善は控えておきましょう。

これでも少ないのですが、最低限100クリックは溜まってから改善をすることをおすすめします。ただ感覚になってしまいますが、データが少なくてもどう考えても変えたほうがいい場合は除きます。

5-2. コンバージョンにつながっている検索語句を参考にして広告文を修正する

広告文の改善は、クリックされている検索語句を確認しながら行うことを基本にしましょう。多くコンバージョンが取れている語句が広告文に入っていない場合は追加をしていきます。クリック数などの母数やまぐれ要素がないなど状況にもよりますが、コンバージョン率が高い語句があれば積極的に追加することをオススメします。

上述したように検索した語句と広告文が一致していると太字になったりと目がいきやすいため、クリック率の向上に繋がります。よってこれらユーザーのクリック増加が期待でき、コンバージョンの拡大が見込めます。

5-3. 広告文のABテストは訴求内容の方向性を変えて実施する

広告文を大きく改善する際のテストは訴求内容の方向性を変えて実施すること推奨します。商材がラーメン屋であれば味ではなく立地を訴求したり、価格を訴求したり…といった具合です。

反対に以下のような訴求が変わらないほとんど変化のないテストは意味がありませんので、やらないようにしましょう。

  • 語尾を少し変える
  • 句読点を変更する
  • 漢字をひらがなにする

「文字を変える」という部分的な対応ではなく、抽象度を上げて「訴求を変える」といったように大局的な対応をするのが重要です。部分的な対応ではCVRとCTRの大きな改善に繋がりづらいです。

純粋な広告文テストはできないので結果は参考程度にしましょう

リスティング広告は同じ条件で複数の広告文を配信しても広告をクリックするキーワードが異なるため、純粋なABテストはできません。テストが全く意味がないとは言いませんが、完全に同一条件ではないことを念頭において結果を確認するようにしてください。

より細かいことをお伝えすると、見出しや説明文が変わると、オークションに参加できるキーワードも異なってくるため、反応する検索語句にもばらつきが生じますし、広告ランクも異なります。

このような背景もあり、リスティング広告は同一条件で広告文のテストするのは不可能なのです。

5-4. 広告ランクを高める際に品質スコアを意識しすぎないようにする

広告ランクとはどの広告をどの位置に表示するかを決める数値です。この数値が高くなると、広告掲載順位が上がり、クリック率が上昇するため、改善できるよう調整すべきです。しかし注意点がありますので説明します。

少々ややこしいですが、広告ランクを構成する要素の1つに、広告の品質があり、広告の品質の中には品質スコアが含まれています。そのため、掲載順位を上げるために品質スコアの改善を目的とされるケースがありますが、これはやめましょう。的外れな施策を打ってしまい、成果が逆に落ちてしまう恐れがあります。

詳しい理由は品質スコアとは?注視して運用すべきは広告の品質である理由をご覧いただければと思いますが、要点だけ記載すると以下になります。

  • 広告ランクの算出には品質スコアは使われないから
  • 品質スコアは広告の品質のごく一部を切り取ったものだから
  • 品質スコアは限定的な条件で算出されており漏れを多く含むから

見るべきは広告の品質。もっと言えばユーザーですので誤解しないようにしておきましょう。

次は広告文に関する細かい諸注意をご紹介します。

6. リスティング広告の広告文の諸注意

最後に広告文に関する細かい注意点をご紹介します。

6-1. 守らなければいけないルールがある

Yahoo!広告、Google広告ともに定められているルールが存在します。ルールに触れる表現をしてしまうと広告が審査に通らず配信できませんので注意をしてください。

以下公式のルールがまとまっているページです。情報が多いので全てを理解するのは難しいですが、広告文を作る前に一度目を通しておきましょう。

Google 広告のポリシー
Yahoo!広告のポリシー

もし審査落ちしてしまったら次紹介する方法で対応方法の詳細を確認できます。

6-2. 審査落ち理由が不明瞭な場合はサポートセンターに問い合わせが必要

広告が審査落ちした時はまず下記のように操作して、管理画面上でなぜ落ちたかを確認しましょう。もし見てもよくわからない場合はサポートセンターに問い合わせをしてください。オペレーターさんが詳しく対応方法を教えてくれるので、よっぽどのことがない限り解決できるはずです。

Google広告は広告のステータスから、ポリシーを確認をクリック。サポートセンターへの問い合わせは左上のヘルプマークをクリック。

Yahoo!広告は審査状況から、審査状況詳細をクリック。サポートセンターへの問い合わせは右上の「チャットで担当者に問い合わせる」をクリック。

また余談かつ商材にもよりますが、経験則的にGoogleのほうが審査が緩い傾向があります。もしYahoo!だけで配信していてなかなか審査が通過しない場合は、Googleへの出稿も検討してみてください。

まとめ

優れた広告文を作るには、まず目指すべき広告文の状態を理解することが重要です。

弊社の定義では、優れた広告文とはターゲットユーザーだけが価値を感じるものです。指標で言うならばクリック率とコンバージョン率が高い状態です。

これを理解した後は以下の事前準備を進めていき、紹介したコツを踏まえながら広告文を作成していきましょう。

  1. 戦況分析
  2. 目標設定
  3. 戦略設計

リスティング広告は広告文次第で成果が大きく異なり、優れた広告文はコンバージョン数の拡大並びに単価の抑制に貢献します。そのため時間をかけるべき箇所であり、決して適当に作ってはいけません。

ただ事前準備をしっかり行い、ご紹介したポイントを押さえれば大きく外すことはないかと思いますので、ぜひこの記事を参考にしながら広告文を作ってみてください。